兄弟の争いに決着はついたのでしょうか。ロッテの経営権を巡り、先月、長男・重光宏之氏(61)が創業者である父・武雄氏(92)とともに次男・昭夫氏(60)ら取締役の解任を通告しました。ところが、取締役会は昭夫氏を中心にまとまり、反対に父親の代表権を剥奪(はくだつ)し、取締役名誉会長へと押しやりました。こうしたなか、臨時の株主総会が行われました。
(経済部・賀谷真実記者報告)
株主総会は、東京・千代田区のホテルで17日午前9時半すぎから始まり、30分ほどで終了しました。総会には、宏之氏と昭夫氏ら取締役が出席しましたが、武雄氏は欠席しました。宏之氏は昭夫氏の解任などを株主総会に提案する考えを示していました。しかし、結局、17日に決議されたことは元参議院議員を社外取締役に選任したことや昭夫氏を中心とした経営体制の確立で、兄弟間での経営権を巡る争いにはなりませんでした。
ロッテホールディングス・重光宏之元取締役副会長:「多くの迷惑と不安を抱かせたことに対し、心からおわびを申し上げます」
ロッテは、韓国でホテル業などを展開し、売上高は日本の10倍以上の約5兆円に上る財閥企業です。韓国では、一連の騒動でロッテバッシングまで発展したことから、いったん収束を図ったとみられます。ただ、宏之氏も経営権を巡る争いが本当に決着したかどうかは明言しておらず、先行きは不透明です。
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