三菱自動車は2000年、そして、2004年に大規模なリコール隠しが発覚して経営危機に陥りました。その時に救済したのは、三菱重工や三菱商事など伝統の三菱グループでした。しかし、今回は日産自動車が主導して支援に乗り出します。背景には何があるのでしょうか。
(経済部・岸田慎介記者報告)
三菱自動車本社には続々と幹部や社外取締役などが集まり、約1時間前から取締役会が始まっています。三菱自動車の過去の経営危機では三菱グループが支援してきましたが、今回は三菱商事が資源安などで2015年度に創業以来、初の最終赤字に陥ったのをはじめ、三菱重工も豪華客船の建造の遅れなどで純利益が4割以上減少するなど、手を差し伸べる余裕がないのが実情です。一方、日産は三菱自動車を傘下に置くことで、軽自動車の技術力向上だけでなく、世界販売台数でトヨタやフォルクスワーゲンに迫る規模となります。今回の資本提携の実現によって、自動車業界全体を巻き込む再編につながる可能性もあります。
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