原発真横に避難経路…住民「真剣に考えているのか」[2016/09/04 17:36]

 災害時にどう避難するのか。先日、原発事故を想定した避難訓練が悪天候のなか行われ、新たな問題が浮き彫りになりました。

 避難訓練の参加者:「風で自衛隊のヘリコプターが中止。この程度で来られないのかなって」
 先月27日に高浜原発のある福井県などは、地震で原発事故が発生した想定で避難訓練を行いました。原発から5キロ圏内にあり、約140人が生活する音海地区。半島の根元に原発があり、要支援者の避難にヘリコプターが想定されていましたが、急きょ中止に。合わせてヘリコプター2機とすべての船が使えませんでした。福井県に理由を聞くと。
 福井県:「曇って視界が悪く、波も高かった」
 避難計画には、悪天候への対応は「あらゆる輸送手段を使用する」とあるだけで、具体的には書いてありません。県は代わりに救急車を手配しました。ところが、陸路を使うと原発に向かって避難することになるのです。
 避難訓練の参加者:「重大事故になったら、(高い)放射線量に向かっていくようなものだ」
 半島を出る道は1本で、陸路で避難した全員が原発のすぐ横を通りました。
 避難訓練の参加者:「原子力発電所を横目で見て避難というのは。放射能はよけて通るにも通れないから」
 県や内閣府は、訓練はまだ放射能が漏れていない段階を想定していると説明しています。しかし、別の住民からは。
 ある音海地区の住民:「避難経路が原発の横を通ること自体が異常。真剣にこの地区のことを考えているなら、そういうことはしない」
 熊本地震では家屋が壊れ、道路が陥没。屋内退避もできず、道路も使えない状況になりました。専門家は避難計画の想定が甘いと指摘します。
 災害・避難に詳しい東京女子大、広瀬弘忠名誉教授:「地震が起き、火災が起きて放射性物質が飛び交うなかで、ヘリコプターが動かなければ災害弱者は救援できない。原発を動かすなら、そういう状況を想定したうえで避難できる保証がないといけない」