野菜や果物にも「機能性表示」 どういう仕組み?[2019/04/04 18:07]

 用意した野菜はよく目にする一般的な野菜に見えますが、実はただの野菜ではないです。栄養成分が豊富な実力派です。
 
 リンゴは、JAつがる弘前が「機能性表示食品」として去年から販売しているものです。機能性表示食品とはどういったものなのか。例えばリンゴなら、JAなどがこのような栄養成分がありますという科学的な根拠を消費者庁へ届け出ます。これが受理されると、消費者庁はこのリンゴが販売された後に表示などが正しいかどうか「監視」を行います。あくまで認可するものではありません。これまでは飲料やヨーグルトなど加工食品が多かったのですが、今は生鮮品が増えています。ミカンやもやし、リンゴ、トマト、魚、トウガラシなど全部で27品あるということです。機能性表示食品と届け出ると、例えばもやしは「骨の健康が気になる方の」と書かれていたり、ケールやトマトは「血圧が高めの方に」と表示がされています。さらに、「どのような科学的根拠があるか」など細かく表示して販売しなければいけないということです。気になる値段ですが、トマトは398円、ケールは258円、もやしは78円。すでにスーパーなどで買うことができます。

 経済部・村野俊デスクの報告です。
 (Q.なぜ、生鮮食品でこうした機能性表示が進んでいるのか?)
 政府は国産の野菜や果物の消費量が拡大することや農家の収入増加につながるとみて届け出を増やそうとしています。機能性表示食品は2015年に始まった制度で、市場として少しずつ成長しています。矢野経済研究所によりますと、2018年度は前の年に比べて、約6%伸びたということです。ただ、課題が2つあって1つは生鮮食品の場合、自然に育つものなので、どうしても品質にばらつきが出てしまうということ。もう1つは機能性表示の届け出が受理されるまでに手間と時間がかかることです。届け出方法を簡単にしたり相談員を各地に派遣したりしていますが、裏付けとなるデータを用意するのが大変だということです。農林水産省では、根拠となる論文やデータの数を増やして届け出に利用できるようにしたいとしています。

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