ミニ四駆・たまごっち…なぜ“レトロ”が人気?[2021/11/23 23:30]

いま、クリスマス商戦の売れ筋おもちゃに、ちょっとした異変が起きています。
トイザらス・ベビーザらスお台場店・島村洋充副店長:「巣ごもり需要もある。人気なのがボードゲーム。昭和からある『人生ゲーム』とか。“昭和・平成レトロ”ブームが相まって、多くのお客さまにご購入いただいている」

“昭和・平成のレトロブーム”といっても、懐かしいだけで、売れているわけではありません。かつてブームを巻き起こしたおもちゃは、新たな進化を遂げています。

TAMIYAの『ミニ四駆』が走るサーキット。最新のプロジェクションマッピングを使った光の演出が、レースを盛り上げます。1982年の発売以来、ミニ四駆の販売台数は、1億8000万台を超えました。

爆発的なヒットと切り離せないのが、マンガ雑誌『コロコロコミック』。ミニ四駆を題材とした連載がブームをけん引したのです。1980年代の『ダッシュ!四駆郎』、90年代の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』。そして今年9月、新たな連載が始まりました。
小学館コロコロコミック編集部・脇立樹さん:「親子2世代で楽しんでもらえる漫画を目指している。大人層も一緒に取り込んだうえで、新しい体験を一緒に楽しんでいける場をプロデュースしていければ」

そして、23日に発売から25周年を迎えた『たまごっち』。25年かけ、世界中で売れた数は8500万個以上。世話をさぼると、すぐ死んでしまう液晶画面のペットが社会現象になりました。

時代とともに進化してきた、たまごっち。新しいたまごっちは、腕につけられるようになりました。いまどきのスマートウォッチ型になっても、触ったり、話かけたり、お世話をしないと懐いてくれません。
バンダイネットワークトイ企画部・安田江利果さん:「スマートフォンは都合がいいときに都合よく遊べるのが便利だが、そこを逆手に取って、ちょっと面倒で手がかかるけど、あえて、たまごっちで遊ぶのが良さかなと」

新しくも懐かしいのが、魅力のようです。
30代の父親:「親世代が懐かしい思い出があって、機能が変わっても手に取りやすい」
小学3年生の娘:「また世界中で大ブームになると思う。とても楽しくて、ブームが再来するといいなと思う」

◆なぜ、いま“レトロブーム”なのでしょうか。トレンド事情に詳しい日経BP総合研究所・品田英雄上席研究員に聞きました。

これまでの子どもだけをターゲットにした商品とは違い、祖父母・親世代の懐かしさを感じる世代を巻き込み、ターゲットを広くしています。いまの若い世代は“アナログ”“懐かしさ”を“新しさ”と感じているといいます。

そして、特徴はもう一つあります。“コロナでバージョンアップ”です。
1967年の誕生から時代に合わせて変化してきた『リカちゃん』。今年は、コロナ禍でのアウトドアブームを受け、お家でバーベキュー気分を味わえるものとなっています。

また、アウトドアブームで『ファイアーウッド ホーム』というたき火体験が味わえるおもちゃも注目されています。本格的な炎と音で、キャンプ気分が味わえます。担当者によりますと、2012年に一度、発売しましたが、キャンプ好きのコア層にしか売れなかったといいます。しかし、今、コロナ禍のアウトドアブームを受け、リニューアルして販売したところ、幅広い世代に火が付いたということです。

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