絶品!地球に優しい 濃厚煮干しラーメン「ラーメン凪」[2022/06/04 21:00]

濃い色のスープに程よく絡んでいく中太の縮れ麺。さらに、このひらべった〜い麺も
なじませ、大きなチャーシューを1枚、2枚、3枚、4枚も!!
そこに、海苔やネギなどの具材も乗せれば…

(仁科健吾アナと店員さん)
「お待たせいたしました!」
「ちょっと、煮干し乗っているんですね」

新宿にある「ラーメン凪」の大人気ラーメン、
「すごい!煮干ラーメン」です! 

仁科アナ)「煮干しがガツンと口の中に広がりますね、香りが、うわ美味しい。煮干しのコクっていうんですかね、うまみの香りがすごい麺に絡んで美味しいです。ぷるんぷるんです、濃厚な煮干しスープにバッチリ合います、これは面白い食感です」

実はこのラーメン店にはある秘密が…

凪スピリッツジャパン 副社長・西尾 了一さん)
「煮干しのガラがたくさん出るので、食べるとまだ美味しいんですよ、そのまま廃棄ではなく何か有効活用したいとずっと思っていまして」

食べて美味しい、地球にも優しい、絶品!濃厚煮干しラーメンの裏側を取材しました。
向かったのは、都内にあるラーメン店の工場です。

仁科アナ)
(手を洗い、消毒)
「(工場入る)お邪魔します、失礼します」

工場内にはところ狭しと、忙しそうにするスタッフたち。いい香りがする方には秘伝のスープがグッツグツ!そして、工場の奥に進むと、店の名物のアレが…。

仁科アナ)
「えぇ、ぎっしりですね、これ下までずっと煮干しなんですか!」

小林 敦さん 第二製造部 本部長)
「はい、もちろん」

小林さん)
「産地とか状態によって4から6種類をブレンドしています」

「すごい!煮干ラーメン」に使われるこだわりの煮干しです!良い香りに思わずパクリ!

仁科アナ)
「(食べる)かめばかむほど、香りが鼻に抜けますね、美味しい」

それにしてもすごい量の煮干し。実はここにリサイクルのポイントがあるんだそうです!

仁科アナ)
「(歩き)これですか」
小林さん)
「はい、こちらが煮干しラーメンができたあとの煮干しになります」

仁科アナ)
「これも、こっちもですか!こんなに大量にスープ使っているんですか!」
小林さん)
「1釜で約400人前できますので6釜で2400人前」

ラーメン凪は全国に6店舗あり、1日で使う量はこの釜8個分!
そして、これだけの量を毎日リサイクルに出しているんです。
すると、スタッフの方がおもむろに窯に手を突っ込みます…

小林さん)
「こういう大きい動物系のものは端っこによけておいて」

仁科アナ)
「分けるんですか!どうして分けるんですか?」

小林さん)
「(動物系のガラは)リサイクルできないものなので」

豚骨や鶏ガラなどはリサイクルをすることが難しいので手作業で取り除いるんです!
まさに骨が折れる仕事。しかし、しっかりリサイクルするためには手が抜けません。
リサイクルしているものは他にもあります。

仁科アナ)
「いわゆる製麺っていう感じですよね」

こだわりの“麺”です!

小林さん)
「商品に出せないような麺とかちょっと短いものをリサイクルとして分別しております」

製造過程で出てしまった麺の切れ端などを集めて、リサイクルに出しているんです。
1日40キロ以上にもなることもあるんだそうです。
こうして集められた麺や煮干し。これらは食品リサイクル工場で加工され、
最終的に「豚」の餌となります。
栄養価の高い煮干しなどを食べた豚は口溶けがまろやかぁ〜な、ブランド豚に!
色んな意味で“おいしい”リサイクルになっているんです!

さらに、リサイクルを促進するための工夫もあります!店で出た廃棄物のリサイクル率を品目毎にデータにし“見える化”。 こうする事で従業員の意識も高まり、今ではリサイクル率が80%を超えています!
しかし、課題もあると凪スピリッツジャパンの西尾副社長は言います。

凪スピリッツジャパン 副社長 西尾さん)
「費用面でやっぱり難しいかなと思っております。私たち毎日たくさんの煮干しが出ますので、それをすぐに有効活用できるような分量になるんですが、個人店ですと、そこまで量がないのでそれであったら廃棄してしまった方がコスト的に安かったりするので、そこに一歩進まなかったりすることもあるような気がしています」

それでも、個人店を巻き込みリサイクルが拡がる方法を模索していくそうです。

凪スピリッツジャパン 副社長 西尾さん)
「私たちのトラックの循環の中で一緒にルートに入れてもらったりしていくとさらに有効活用できる数も増えますし、いろんな輪がちょっとずつ広がって循環型社会に起用できると嬉しいなと思っております」

サタデーステーション
【イラスト】カネシゲタカシ
【取材】 矢谷一樹、白鳥宏亮

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