水道料金全額免除、専用アプリで2割還元…自治体の物価高対策 効果は?専門家解説[2022/06/24 23:30]

総務省が発表した5月の消費者物価指数は、電気代や食料品価格の高騰で、2.1%の上昇となりました。7年ぶりとなる高い伸び率が2カ月連続で続いています。

こうしたなか、自治体も独自の物価高対策に乗り出しています。餃子の街、栃木県宇都宮市では、7月、8月の水道の基本料金を全額免除にします。
宇都宮餃子会・鈴木章弘事務局長:「何もかも高い時代に、一部でも免除いただけるのは、本当にありがたい。特に7、8月は繁忙期だから店も忙しいし、餃子を作る工場も忙しくなるので、水の量も相当量を使うので、ありがたいと思う」

全額免除になるのは、事業者だけではなく、一般家庭も含まれます。
上下水道局経営企画課・穐山克彦課長:「非常に暑いなか、熱中症も心配されるので、一杯のお水をためらうことなく、安心して飲んでいただきたい」

政府は、『地方創生臨時交付金』という形で、自治体の支援を後押ししています。これは、もともと2020年に新型コロナ対策で創設されたものですが、4月、“物価高”にも使えるように対象を広げたうえで、予算8000億円を追加しました。

この交付金を使った物価高への対策は東京都でも始まっています。世田谷区独自の決済アプリ『せたがやPay』。『せ』のマークがある加盟店で、専用のアプリで買い物をすれば、区民だけでなく、誰でも5%分のポイントが還元されます。さらに、それが、7月22日からは、20%分に増額されることになります。

お得なのは、客側だけではありません。20%のポイント還元とは別に、店側にも5%分、現金で還元されるようになります。
佐藤青果店・佐藤五一社長:「これは大きい。お客さまに還元するのが買う条件になる。まずお客さまありきの企画。プラス、事業者向けというのは、ありがたいとしか言いようがない」

世田谷区は“原材料高に苦しむ”事業者側にも支援することで、値上げの連鎖を防ごうとしています。
世田谷区商業課・中西成之課長:「『今、仕入れ値あがってますか』と店にお聞きしたら、『モノによるけれど、平均すると5パーセントぐらいあがってる』と。かなり縛りが少ない交付金なので、こちらのほうで機動的かつ自由に必要な施策を行えるという意味では、非常に使いやすい交付金だと考えている」

ちなみに世田谷区では、東京都からも新たに物価高などに対する補助金が出されることが決まっていて、還元率を20%からさらに増やすことも検討しています。

自治体によって交付金の使い方や対象はさまざまです。

新潟県糸魚川市で、いくつか行っている支援策の一つが『今すぐUtage(宴)キャンペーン2022夏」』。飲食店での消費を喚起することが目的です。1次会(8人以上)で、1人2000円分の商品券、2次会(4人以上)で、1人1000円分の商品券を、それぞれキャッシュバックします。市の担当者によりますと、「現在1次会に240件ほどの申請が来ている。2次会も対象にしたのは、バーなど小規模な店も利用してもらえるように」とのことです。

徳島県吉野川市では、来月から妊婦1人あたり現金10万円を給付します。対象は345人を想定しているとのことです。市の担当者は「コロナ禍が長引くなか、経済的にも安心して妊娠・出産してほしい」としています。

交付金の限度額は、各地域の人口や財政規模などを考慮して決められています。内閣府によりますと、この配分については、ワクチン3回目接種者の割合や、ウクライナからの避難民の受け入れ人数も加味されているということです。

経済政策に詳しい大正大学・小峰隆夫教授は「原油価格や物価の上昇率に比べると、交付金の効果は限定的。自治体に裁量を委ねれば、実情に応じた使い方はできるが、地域によって救われる人・救われない人のバラツキが出る可能性もある」といいます。

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