去年の半額!生すじこが異例の安さ サケ不漁も…なぜ? SNS話題“手作りいくら”も[2023/10/20 11:17]

 物価高のなか、いくらの原料となるサケの卵、生すじこが異例の安さとなっています。都内では去年の半額で販売する店も出てきました。

■漁師「秋サケまるっきり…」すじこも高騰

 ごはんの上でキラキラと輝く赤い宝石、いくら。口の中でプチプチはじける食感がたまりません。今、旬を迎えています。

 回転寿司チェーン「くら寿司」では、「まぐろと北海フェア」が開催されていて、大粒いくら軍艦が1皿180円で発売されています。

 くら寿司 広報 藤原悠さん:「ランキングのトップ10に入るくらい人気の商品です。9月末からいくらが旬になるということで、いくらを扱った商品を多く取りそろえております」

 秋サケ漁がピークを迎えている北海道では、漁師はこのように話します。

 漁師:「秋サケがまるっきりですよね。3年前もとれなかったんだけど、それ以上にとれていない」

 サケは漁獲量が大きく減少していて、ここ数年は1億トンを下回る大不漁が続いています。その影響で近年ではいくらのもとになる、サケの卵・すじこの価格も高騰していました。

■今年はすじこ安い? 都内も産地並み

 ところが、今年は一転して安値になっています。産地の北海道の鮮魚店では、生すじこが去年よりも3割安い、100グラム450円で売られていました。

 産地から遠く離れた都内のスーパーでは、多くが100グラムあたり800円台から1300円ほどで売られています。

 しかし、番組が調査を進めると、1つ1980円。100グラムあたりの価格を調べてみると550円です。

 産地とほとんど変わらない安さに、店頭に並んだ瞬間から飛ぶように売れ、残り6本に。そして、残っていた6本をこちらの女性がすべて購入。あっという間に完売してしまいました。

 ちっちゃんさん:「今の季節、皮が柔らかくて、値段も旬で安いので今年で4、5回目ですね。(このお店で)買うの。駆け込みで買いに来た感じです」

■加工会社にいくら“在庫” 生すじこ購入控え

 サケは不漁にもかかわらず、今年はなぜこれほどまで生すじこが安くなっているのでしょうか?

 実は去年の10月以降、秋サケの漁獲量は増えていました。その時に加工した冷凍いくらがまだ残っている加工会社は、先月から出回っている新物の生すじこの購入を控えているといいます。そのため、市場やスーパーに生すじこが多く出回ることになり、価格が安くなっているのです。

 魚河岸 中與商店 武蔵小山店 山崎進一チーフ:「(Q.去年は生すじこ1本いくらで販売?)1本3000円から4000円はいっていましたね」「(Q.今年は半額近い値段に?)はい」

 生すじこを使えば、一般の家庭でも簡単に新鮮ないくらが作れるといいます。

 山崎チーフ:「旬の味覚を堪能してもらいたいと思います。今年の安値を境に、ぜひ自家製いくら作りに挑戦して頂きたい」

■“手作りいくら”作り方は? 安さいつまで?

 SNSでも、いくらを作ったという投稿をたくさん見つけました。実際にいくらを作ったという人に話を聞ききました。

 初めていくらを作った男性:「いくらを山かけにする話をしていて、すじこが安いからいくらに変えて山盛りにしようと」「(Q.満足度は高い?)高いですね。満足してますよ。自分でこれからは、すじこからいくらにしようかなと思っています」

 生すじこから、いくらをおいしく作るにはどうすれば良いのでしょうか?

 まずは、すじこ200グラムを70℃の食塩水でほぐしていきます。その後、40℃の食塩水で、魚卵以外の皮と筋を取り除いて、よく水気も取り、保存容器にいれて調味料(しょうゆ大2、酒大1、みりん小1)を入れ混ぜます。冷蔵庫で寝かせ、味をなじませれば完成です。

 今年すでに2回、生すじこからいくらを作ったという女性はこう話します。

 2回作った女性:「炊き立てのごはんにのせて食べるか、手巻きずしにするか、はらこめしにするくらいですね。自分で作ったやつは外のと違うなって、リピートして作っています」

 生すじこの安さはいつまで続くのでしょうか。

 築地魚市場 中井三郎副部長:「年末のいくらに関しては今よりは上がってしまうかもしれない。食べて頂くのであれば、今、食べてもらいたい」

(「グッド!モーニング」2023年10月20日放送分より)

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