2024年12月、北九州発祥のローカルうどんチェーンの東京進出が決定しました。さらに、行列ができる札幌のジンギスカンの名店が、創業70年を記念して初めて札幌を飛び出し東京進出。さらに最長4時間待ちの“名古屋名物風”ハンバーグに、“日本一”のカレーパンがウリの北海道発祥パンチェーンまで。自慢の味にこだわり続々と東京進出を果たす、“上京ソウルフード”を大特集です。
■資さんうどん 2月に東京1号店
12月、千葉県にできたおよそ50メートルに及ぶ長蛇の列。こちらは、その名も「資(すけ)さんうどん」。北九州市で創業した人気チェーンの関東1号店です。
「鹿嶋市を7時に出ました。九州のソウルフードで一度食べてみたかった。ふたりとも食いしん坊だから参りました」
県外からも客が押し寄せる注目度。それもそのはず、去年7月に東京・神田で3日間限定のレストランを営業した際には、400食が連日完売するほどの人気ぶりです。
「大学4年間、北九州市に住んでいたので毎週のように資さんうどんに行った」
そんな、資さんうどんの名物メニューが、スティック状のどデカごぼ天が目を引く「肉ごぼ天うどん」。なんといっても特徴は、唯一無二のその食感です。
「モチモチ感も違う、ふわふわしている」
歯触りは柔らかく、中はもちもち食感のうどんに、サバや昆布、シイタケなどからダシを取った甘じょっぱい黄金色のスープがよく絡みます。
8年ぶりに口にするという地元のソウルフード、お味はいかがですか?
「最初はあっさり、そこからシイタケとか昆布の深みが出て、最後は甘い。これが資さんのうどん。ゴボウも結構太切りで食感も残っていて味も濃い。ばり懐かしい!ばりおいしい」
桝田アナが高校時代、バレー部の練習終わりに週3回通った思い出の味だそうです。
およそ50年前、北九州市で創業した資さんうどん。西日本を中心に74店舗を展開。先月、関東に初進出を果たしました。
関東進出にあたり最もこだわったのは“北九州の味”を変えないこと。
「水が違うので調整しながら同じ味を再現できているかなと。変わっていましたか?」
「全く変わっていないです」
2月24日にお目見えする両国店を皮切りに、今年春ごろに足立区や埼玉県にも新たにオープン予定。北九州のソウルフードが、より身近になりそうです。
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■札幌限定“ジンギスカン”が初進出■札幌限定“ジンギスカン”が初進出
続いては、北海道札幌から上京した店です。
半年前、上野に6時間待ちの大行列を生み出した伝説的な店「成吉思汗(ジンギスカン)だるま」。創業から札幌ススキノだけで6店舗を営業していた人気店が、70年の節目に、満を持して東京進出を果たしたのです。
鮮度にこだわり、365日欠かさずに仕入れる羊の肉。肩ロースやモモなど、さまざまな部位が楽しめるこのお店。羊本来のおいしさを知ってほしいと、味が濃い成長した羊、マトン肉にこだわっています。
「初めて食べただるまのジンギスカンがおいしくて感動して(当時)2泊3日の旅行で3回だるまに行った」
こちらの夫婦は、およそ20年前の感動が忘れられず、しっかり予約をしてご来店。
「まさか上野で食べられると思っていなかったのでうれしい」
このお店の人気の秘密は、お肉のおいしさだけではありません。それは、マトン肉の味わいを引き立たせるタレ。70年間変わらない、しょうゆベースの秘伝の味です。
お好みでおろしにんにくや韓国唐辛子を入れるのもオススメです。
「思ったよりもサッパリ和風な感じ。だから結構食べられる」
そんなこのお店では、知る人ぞ知る、ツウの食べ方があります。
それはタレにつけたジンギスカンをごはんにのせ、ほうじ茶をかけたシメのお茶漬けです。
「タレにもジンギスカンの脂が落ちているからおいしい」
ジンギスカンのうまみが出たタレを余すことなく堪能できる、本場の楽しみ方です。
1954年に札幌市で創業した、だるま。6店舗ある札幌のお店も盛況。そんな人気店が、去年初めて札幌を飛び出し、東京に進出しました。
そこでこだわったのは、創業以来70年間守り続けてきた「新鮮なマトン肉を安くおなかいっぱい食べてもらう」という信念です。
金さん
「北海道と同じものを同じ味・同じ価格帯で出すのがお客に対してやること。だるまを愛している業者さんの助けで10円だけ値上げ…」
仕入れ業者などが東京進出をバックアップし、値上げは10円だけ。そこには、北海道のソウルフードに託した思いがありました。
「まだ東京ではジンギスカンはくさいとかマイナスイメージ。北海道の料理っておいしいと分かっていただける老舗に」
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■トリコになる“肉汁”ハンバーグの秘密■トリコになる“肉汁”ハンバーグの秘密
続いては名古屋から上京した店です。
最長4時間待ちの行列ができたソウルフード。それが3年前、渋谷に関東初出店した「挽き肉のトリコ」。
「ベリーグッド!こんなにおいしいハンバーグ、他では食べたことないわ」
「ベリービッグ!これはとにかく肉汁たっぷりだよ」
外国人客が大絶賛するのが、牛肉100%のハンバーグ定食。なんといってもウリは、たっぷたぷのこの肉汁。その秘密はツナギにありました。
「お麩(ふ)をツナギに使って肉汁が出ないように」
パン粉よりも保水力が高いというお麩で肉汁をキープ。さらに、鉄板で焼き目をつけてからスチームオーブンで蒸し焼きにすることで、肉汁を極限まで閉じ込め、ふっくらまんまるに。
「肉汁を全部こぼさずに食べられたらすごい満足感」
「肉汁ももったいない」
リピーターだという男性は、あふれる肉汁を一滴も逃したくないと縦に割らず、上からちょっとずつ食べるナイスアイデア。
牛肉のおいしさを引き立てる6種類の薬味で、味変も楽しめます。
とはいえ、ここで疑問が。特に名古屋のソウルフードらしさは感じないですよね…?
実はもう1つの看板メニューを見ると、納得のワケが。そこには、どんぶりに乗ったハンバーグに、急須。このたたずまいの“名古屋名物”もうお分かりですね?
これぞ、名古屋から東京にやってきたソウルフード、ひつまぶし風ハンバーグです。
本場同様、まずはそのまま。そして次は、錦糸玉子やネギなどの薬味と一緒に…。シメには牛ダシをかけてお茶漬けにしていただきます。
「牛ダシをかけると肉汁がしみ出て、うまみが凝縮し凝縮した一杯」
「この料理は知らなかったけど…おいしいね!」
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■北海道発“日本一のカレーパン”3種類■北海道発“日本一のカレーパン”3種類
続いては、日本一に輝いたカレーパンが名物。去年、北海道から東京進出を果たした「ペンギンベーカリー」。こだわりは北海道産の小麦粉を使った出来立てパン。
「(Q.オススメのパンは?)これ(カレーパン)かな、やっぱり。絶品でした、ルーもモチモチ感も。だまされたと思って買って、食べたらビックリ」
看板メニューのカレーパンは3種類あります。まずは、特製カレールーに北海道産生乳をたっぷり使った「カレーパンフォンデュ」。
さらに、具材だけでなくルーに隠し味として甘海老オイルを加えた一品。
「食べた瞬間、違う!いろいろ食べているけど違う!」
さらにさらに、じっくり煮込んだ牛肉が入った「北海道産牛のカレーパンフォンデュ」です。
「ドーンと大きな牛肉。チーズフォンデュのようにチーズがたくさん入っているので、まろやかでコクが増している」
これらはすべて、カレーパングランプリで最高金賞を受賞しています。つまり“日本一”に輝いたカレーパンなんです。
この他にも、およそ80種類もの焼きたてパンが並ぶこのお店。
「ここに行くならペンギンの形の食パンがあるよと。え〜かわいいねって。孫が来たら…ちょっと取っておこう」
見た目もかわいいペンギン型の食パンは、ほんのり甘いミルク味。焼き目をつけてチョコやジャムでデコレーションすれば、こんなにキュートな姿になります。
2016年に北海道で創業したペンギンベーカリー。北海道産小麦を使ったパンは口コミで人気が広がり、わずか8年で全国に53店舗を展開する急成長ぶりです。
店舗では毎月、本部から派遣されるスーパーバイザーがパンの品質を厳しくチェックします。
「ベーコンエピが少し白くなっていた。焼成でスチームが弱かったのか、成形で生地が乾燥してしまったのか」
この日の指摘は、乾燥によるパンの色の薄さ。これは、本部がある北海道と東京の気候の違いが影響するようです。
「北海道で商品開発をして全国に(レシピを)配布。地域によってパンの品質が温度や湿度でかなり変わってくる」
「第三者の目線で厳しくチェックしてもらわないと一定の品質を保てない」
全国53店舗、すべてのお店で“北海道のおいしさ”を味わってもらいたい。それが、このお店のモットーです。
「道産小麦で作ったパンが1番ふわふわモチモチでやわらかい。北海道の豊かな大地で育まれた北海道小麦のパンを全国に届けたい」