ゴールデンウィークも後半戦。旅雑誌で今、急激に売り上げを伸ばしている場所があるんです。それが「信州」です。地元の人も知らない、その魅力に迫ります。
■GW旅行先…「信州」が人気
「長野はあちこち見たいところがいっぱいあって」
「善光寺に行きたいと思っていたから、すごくパワーをもらえた」
ゴールデンウィークの旅先として、中高年などを中心に全国から観光客が集まる長野県。2週間前に発行されたばかりの旅行ガイドブック、地球の歩き方「信州」が今、大人気なんです。
「長野県内ではすでに売り切れている書店もある。早くも増刷が決まりそうで想像以上の売れ行き。信州は地域への愛着度も高くて、観光地としても魅力の宝庫なので出版するに至った」
地元の人も知らない信州の魅力が満載。そこで「地球の歩き方」の出版編集室長が選りすぐった、信州のディープな魅力スポットをご紹介します。
なぜ信州が人気急上昇しているのか、取材しました。
■人気の理由は“朝5時半”?
日の出直後の午前5時半。早朝から外国人観光客の団体が押し寄せるのは、長野市の「善光寺」です。
国宝である本堂は、高さおよそ27メートル。国宝の木造建築のなかでは、東日本最大級を誇ります。
「特別な行事があると知って来ました」
午前6時、本堂の前に参拝者が整列します。外国人客たちも固唾をのんで何かを待っています。鐘が鳴り響き、参道から現れたのは「お導師」と呼ばれる僧侶です。
すると並んでいた人たちが、一斉にひざまずきます。手を合わせて、何をしているのでしょうか?
「地球の歩き方のお薦めが、善光寺の『お朝事』。『お朝事』という言葉、耳慣れないが、日の出とともに行われる法要のこと」
僧侶が参拝者の頭を数珠で触れ、功徳を授けています。
実はこの早朝参拝こそが、信州の知られざる魅力のひとつなんです。
お朝事を初体験したオランダ人女性は…。
「とても興奮しました。美しいし、みんな敬意を払っています。僧侶に向かってお辞儀をする。それが、すごく良かった」
参拝者たちは本堂の中へと移動します。
「すごいです。ベリーダーク」
およそ1400年の歴史を持つ善光寺の格式ある本堂に、お経が響き渡ります。
江戸時代から語り継がれる言葉「遠くとも一度は詣(まい)れ善光寺」。一生に一度お参りするだけで極楽往生が約束されると、古くから信じられてきました。
早朝から、お朝事に参加した外国人観光客たちは、信州ならではの体験に感激です。
「ベリーナイス」
「現実を超えた経験です。真っ暗の中で瞑想(めいそう)しているようです。この習慣に慣れていない私たち観光客にとっても素晴らしい経験になりました」
「とても興味深いです。とても静かで心地よいです。日本人は伝統を大切にします。ヨーロッパでは、もはや失われたものだと思います」
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■自然と神秘に包まれた雰囲気が魅力「戸隠神社」■自然と神秘に包まれた雰囲気が魅力「戸隠神社」
続いて、地球の歩き方「信州」から選りすぐった魅力スポットは、長野市の「戸隠神社」です。
「2000年以上の歴史をもつ長野県内屈指のパワースポット。自然と神秘に包まれた雰囲気が魅力」
標高およそ1900メートルの戸隠山。そのふもとにある戸隠神社は、国内外の観光客に人気です。
「私たちは新婚旅行です」
「東京から長野にきました。だって東京はゴールデンウィークで混んでいるでしょう。だから地方に来たんです」
山道を登りながら、5つの社を巡ります。木々に囲まれた道中には5月でも雪が残り、神秘に包まれた雰囲気を体験できます。
「私たちは戸隠(とがくし)のスケッチをしています。とても静かで自然がたくさんあります。鳥の鳴き声や小川のせせらぎも聞こえてきます。とても平穏です」
「長野が大好きです。これで3回目です。前回来た時には長野から戸隠に行って温泉でサルを見て、上高地にもいきました。とても美しかったです」
■人気は郷土料理
戸隠神社の近くでは、名物グルメも堪能できます。長野県を代表する郷土料理「信州そば」です。昼夜の寒暖差が大きい長野県はそばの栽培に適しているため、おいしいそばが味わえるといいます。
「戸隠そば博物館とんくるりん」では、そば打ちの体験ができるんです。
「難しいです」
家族で協力してつくったそばの味は、いかがですか?
「めっちゃおいしい。ちょっとつながったやつもあったけど」
魅力の宝庫、信州。まだまだ知らない旅の楽しみ方がありそうです。

















