牛肉よりも安く、ボリュームがある漫画のような豚の塊肉を使ったステーキ専門店が人気を集めています。快進撃を続ける創業者に人気の秘訣(ひけつ)を聞きました。
全国各地に急拡大 豚肉ステーキ専門店
皿の上で、山のようにそびえ立つ巨大な肉の塊。テーブルに運ばれてくると、ほとんどの客がカメラを向けます。
「すごいね。こんなに大きい塊」
女性客(20代)
「めっちゃ大きい。びっくりした」
男性客(30代)
「ボリューミーなんですよね。味もしっかりしていて、めちゃくちゃおいしい」
東京・宮城・香川などで23店舗を展開し、全国各地に急拡大しているステーキ専門店「マロリーポークステーキ」。牛肉ではなく、豚肉が使われているステーキ店です。
今野健二社長(43)
「妻とウルフギャング(ステーキ店)に行った時、すごくおいしかったんですけど、これ豚だったら10分の1ぐらいの値段でできるんじゃないかということで、豚でやってみようと開始しました」
メニューを開いてみると、「富士山」が450グラム、「キリマンジャロ」が1000グラム、最も大きいのは「オリンポス」でなんと2000グラム!その他にも、山の名前がついた規格外のサイズのメニューがずらりと並んでいます。
「この日和山(ひよりやま)というのは仙台の山ですか?」
「仙台で2メートルくらいしかない山です」
「実は仙台出身で、日和山ってあれかなと思って。地元の山を行きたいところですが、キリマンジャロに挑戦します」
佐々木アナウンサーも早速、1キロのポークステーキを注文しました。
あまりの迫力に、目を丸くする佐々木アナウンサー。ナイフを入れていただきましょう。
「やわらかい。かむたびに肉のうま味が口いっぱいに広がってきて、豚肉ってこんなにやわらかくてしっとりしているんだということを、初めて知りました。おいしい」
オープン当初はボリューム感から男性客をターゲットにしていましたが、現在では女性客も急増しているといいます。
「牛だと200グラム食べられないから心配していたんですけど、豚だとさっぱりしていて食べられました」
女性客(20代)
「食べやすい。意外とさっぱりしている」
理想のポーク探して世界へ「安くておいしい店を」
女性でもペロリと完食できてしまうほど、さっぱり仕上げられているステーキ。実は調理方法に秘密があるといいます。今回、特別に教えてもらうことができました。
「企業秘密の液体があるので、それを入れて真空にして寝かせることによって、お肉がやわらかくなる」
一度、真空にして寝かせた肉を、64℃のお湯で4時間火入れした後、冷まして再び寝かせます。さらに客に提供する日に、55℃のお湯で2時間温めた後、最後に表面をこんがりと焼きあげて完成です。
仕込みに一日以上の時間をかけて、客に提供されるステーキ。店には日々、大量の肉が次々と運び込まれてきます。
「1週間で(2キロの塊を)100本以上は仕入れるんで、1カ月で800キロぐらいです。見た目結構小さそうに見えるんですけど、毎日見ていると小さいなと思うんですけど、ほんと仕込みが大変で重くて」
こだわりは価格面にも。こちらの女性客が食べていた「日和山」は、200グラムで1190円と、ボリューム感もありながら、財布にやさしい価格設定になっています。
「今食べてもらったのがカナダの大麦仕上三元豚という豚で、大量に仕入れしているので安く買えるというのがすごく大きい。今、飲食店レベルで多分日本で一番豚肩ロースを使っている。それで、すごく安く買えている」
最適な豚肉を仕入れるために、世界中を飛び回り、自ら試食しているという今野社長。今月の幹部会議では、国産の豚を使った新メニューについて話し合われていました。
「次のタイミングでしたいのが、『松・竹・梅』の松のお肉を入れていきたい。口コミとかを見ていくと、もっと高い豚肉を求めているお客さんも実際に増えている」
ちょっとリッチなステーキを求めている客にも満足してもらえる、国産豚を探していますが、簡単ではないそうです。
今後、さまざまな国産豚を食べ比べながら松にふさわしい豚を選定し、お手頃な価格で提供する予定です。
お祝い事や特別な日に食べることが多いステーキを、「いつでも気軽に食べに行ける店」を目指しています。
(「グッド!モーニング」2025年9月23日放送分より)