九州の覇者として知られるディスカウントストアのトライアルが東京に進出しました。圧倒的な安さと最先端の技術を武器に、どんな店が登場したのでしょうか?
西友とセール かつ重299円
都内にある西友の店舗。今、売り場にある変化が起きていました。
「とても安いと思って」
「値段を見ると、すごく安い感じがする」
商品のポップには、見慣れぬ「TRIAL」の文字があります。
「メーカーですか?メーカーじゃなくて?」
トライアルは福岡県を地盤とする大手スーパー。今年7月に西友をおよそ3800億円で買収したのです。
東京進出の狼煙(のろし)を上げる第1弾として、22日にトライアルと西友の合同セールが始まりました。
例えば、年間1200万食を売り上げる「ロースかつ重」は、税込み299円。玉子3個分をぜいたくに使った「サンドイッチ」も199円です。6枚切りの「食パン」は100円を切る95円でした。
圧倒的な安さを売りにするトライアルの独自商品が、続々と西友の店舗に並び始めているのです。
「名物の『たまごサンド』と『おはぎ』。親戚が九州なので、トライアルの名物を知っているので。買って帰ります」
次の一手も、すでに動き出していました。駅から徒歩3分ほどの住宅街にある建物。中は内装の工事が始まっていて、外には「TRIAL GO」と書かれた看板が出ています。
顔認証で支払い クーポンも
7月の西友買収会見で、楢木野仁司新社長がこう語っていました。
それが、九州でも展開する小型店の「トライアルGO」です。来月上旬に、まずは都内2カ所でオープンします。
この店の特徴は、近くにある西友を製造拠点にして低価格の弁当や総菜などを作り、頻繁にトライアルGOに届けるというものです。
一般的な弁当と比べると「半額」程度の安さで、この価格を武器にコンビニなどに対抗する狙いです。
実はトライアルは元々、レジなどで使うPOSシステムの開発を主力とする「IT企業」でした。
この強みを生かして、7年ほど前に最先端の「スマートショッピングカート」を導入。商品のバーコードを読み取ると、カートの画面にそれまでの合計金額が表示されます。
クーポンも出るようになっていて、最後は専用のゲートを通過するだけで、自動的に決済されます。
まもなく都心にも登場するトライアルGO。店内はほぼ無人で多数のカメラを使って、売り場の状況を遠隔で管理。商品は自動で発注され、近くの西友から効率よく、新鮮な食事を届けられる仕組みです。
製造してから時間が経ったものは自動で値引きされ、バーコードのスキャナーにかざすと、どれぐらい安くなるかが画面に表示されます。
従業員がいちいち値引きシールを貼り替える手間もなくせるということです。
26日で西友としての営業をいったん終了した都内の花小金井店は1カ月後、全国初となるトライアルと西友の複合店舗としてリニューアルオープンします。
トライアルカンパニー広報部の野田大輔部長はこう話します。
九州の覇者とも呼ばれるトライアルが、いよいよ東京へ。スーパー業界に旋風を巻き起こしそうです。
(「グッド!モーニング」2025年10月27日放送分より)















