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天候に左右されないビルや工場で農作物を栽培する企業が増えています。印刷工場では、キクラゲを栽培する取り組みが行われていました。
空きスペースを活用
埼玉県川口市にある新聞の印刷工場。一日に最大80万部を印刷しています。そんな工場の一角に不思議なスペースがありました。
部屋いっぱいに広がるのは大量のキクラゲです。工場に勤務する社員の発案で、今年から栽培がスタートしました。
背景には新聞を取り巻く厳しい環境の変化がありました。毎日新聞首都圏センター川口工場・多久幸男印刷部長はこう話します。
「(デジタル化に伴い)新聞の印刷部数も減っているので、遊休地の活用でこの場所に(キクラゲ栽培部屋を)建てた」
印刷工場ならではの特性も好都合だったといいます。
「新聞の印刷工場は、温度・湿度管理を徹底。その中でキノコが育つのではないかと思い提案」
キクラゲ栽培に欠かせない温度や湿度の管理。工場内は24時間体制で徹底されています。一日に数回必要な散水も自動で行っています。
キクラゲは国内生産者が少なく、消費量の90%を中国からの乾燥キクラゲに頼っています。
とれたてのキクラゲを食べてみると、肉厚でプリプリの食感が楽しめます。
最大5600個もの菌床から一日に収穫されるキクラゲは20キロから30キロ。販路拡大に向けた取り組みも進んでいます。
先月からスーパーの「紀ノ国屋」が首都圏の10店舗で販売を開始。東京・千代田区のホテルではパイ生地やソースに印刷工場で栽培されたキクラゲを使った料理が提供されています。
「みなさんやはりこの肉厚さと大きさ、食べた時のプリプリ感。これが本当に素晴らしいという評価をもらっている。本当に愛情を込めたものが出来上がっているので、みなさんにぜひ召し上がってもらえれば」
今後は、学校給食への提供なども考えているということです。
(「グッド!モーニング」2025年11月10日放送分より)
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