財政危機のギリシャで、いよいよ国民投票が始まりました。世論は賛成と反対が拮抗(きっこう)し、大接戦になる見通しです。今回の国民投票では、EU(ヨーロッパ連合)側の提示する財政再建策の賛否が問われていますが、「反対」が多数を占めればギリシャはユーロ圏から離脱する可能性が高まり、世界経済に影響を与える懸念があります。一方、「賛成」が多数の場合でも政権は総辞職するとみられ、政情不安に陥る恐れが出てきます。現地、ギリシャのアテネから報告です。
(吉田豪記者報告)
アテネの投票所では投票が行われています。先ほど、チプラス首相が投票所を訪れて投票を行いました。ノージャケット、ノーネクタイのカジュアルな装いで、笑いながら手を振るなど余裕の表情を見せて投票に臨んでいました。
チプラス首相:「民主主義が不安と脅しに打ち勝った時、窮状からの出口へとつながる。ギリシャ国民はきょう、非常に強いメッセージを送ることになる」
投票後の会見も余裕の表情で、勝利を確信した様子で投票所を後にしました。投票直前の世論調査では「賛成」「反対」が1%しかない僅差で、まさに国を割っての議論がギリシャでは続けられています。
(Q.投票率はどうなるか?)
次のギリシャの将来を占う議論ということもあり、高い投票率が見込まれています。ただ、EUの緊縮策を受け入れたとしても、ギリシャが独自の道を進んだとしても、結局、ギリシャには「いばらの道」しか残されていないのが現実です。投票は日本時間の6日午前1時に終わり、即日、開票されます。早ければ、未明にはおおよその結果が出てくるとみられています。
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