北朝鮮に“願い”踏みにじられた? 中国の本音は[2017/04/29 21:05]

 アメリカや中国の強い圧力にもかかわらず、またミサイル発射に踏み切った北朝鮮。そのミサイル発射を受け、日本では初めて地下鉄などが止まるなどして国民生活にも影響が出ました。トランプ大統領は、北朝鮮が「中国の望みを踏みにじった」とコメントしています。中国・北京から報告です。

 (山本志門記者報告)
 (Q.中国政府はどう受け止めているのか?)
 中国側はこれまで再三にわたり、北朝鮮に対して核やミサイル開発を自制するよう求めてきました。そして、そのためにもある程度、経済制裁を強めてきたわけです。ただ、その一方で、北朝鮮国民の生活については影響が及ばないよう“守る姿勢”も続けてきたわけです。そうした思いが、相次ぐ北朝鮮の挑発によって踏みにじられた。同時に中国自身もますます追い込まれてくるわけで、「そろそろ本当にいい加減にしてくれよ」という気持ちが強いです。
 (Q.今後、北朝鮮に対して具体的にどう対応していくのか?)
 中国側は、アメリカと北朝鮮の双方が自制をして対話をするべきだと言っています。そのうえで、仮に北朝鮮が核実験を行った場合には、独自の制裁を行うと言っています。具体的にそれが石油の輸出を制限する可能性もあります。ただ、その一方で制裁をやりすぎると、今度は北朝鮮のミサイルが中国にも向いてくる。あるいは、制裁の穴をロシアが埋めてきて、北朝鮮に対するロシアの影響力が強まってくる。中国側は相当なジレンマに陥っています。だからこそ、王毅外相は国連で「解決の鍵は中国ではない」と言っています。そして、こうした状況は当然、北朝鮮にも見透かされています。ただ、北朝鮮の貿易の9割は中国が相手で、相当な影響力を持っていることは間違いありません。中国は今後、“追いつめ過ぎず”段階的に経済制裁を強めていくものとみられます。

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