米朝首脳会談を巡っては3月、トランプ大統領が「会おう」と応じ、当初は融和ムードが広がっていました。しかし、今月の中旬以降、北朝鮮が態度を硬化。22日にはトランプ大統領が「条件が合わなければ開催しない」と延期や中止をほのめかすなど、お互いに不信感を募らせていました。トランプ大統領にはどのような思惑があるのでしょうか。
(高羽佑輔記者報告)
トランプ大統領が送った書簡には、最後の部分で「会談について気が変わったら遠慮なく連絡を下さい」と書かれていて、対話する姿勢を崩していません。ただ、トランプ大統領は一度、中止をすることで譲らない姿勢を示し、北朝鮮にアメリカのやり方で非核化することを強く迫った形です。トランプ大統領は軍事的な選択肢もちらつかせていますが、北朝鮮が談話を発表し、対話を続ける意向を示しました。このため、軍事的な緊張が高まることはひとまずは回避されました。一方で、トランプ政権に近い関係者からは「北朝鮮が会談に真剣なら、核戦争に言及するような声明は出さなかったはずだ」と北朝鮮の姿勢を疑問視する声も出ています。今回のトランプ大統領の決定について、専門家からは「国際的な信用を落とした」という批判もありますが、「北朝鮮に惑わされなかった」と型破りの外交を評価する声もあります。ただ、トランプ大統領は今後も北朝鮮に対して圧力を掛けるつもりですが、肝心の非核化に向けた具体的な方法については依然として隔たりがあります。
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