北朝鮮の金正恩委員長の兄・金正男(キム・ジョンナム)氏を殺害した罪に問われている2人の女について、マレーシアの裁判所は審理を続ける判断をしました。この裁判を巡っては2人が殺意を否認していて、無罪になるのではと注目されていました。これまでの検察側と被告の女側の主張をもう一度、振り返ります。
まず、被告の弁護側は「いたずら番組の撮影と聞いていた」「正男氏に塗り付けた液体がVXガスとは知らなかった」などと一貫して無罪を主張しています。これに対して検察側は、2人が犯行後に手を洗っていることから液体が「猛毒」であることを知っていたとし、さらには正男氏に液体を塗り付ける際、「浸透しやすい目を狙った」などと殺意があったと主張していました。去年10月から約10カ月、続いた裁判ですが、16日にヤマ場を迎え、高等裁判所は「審理継続」を決定。その理由について「被告の女2人と北朝鮮の男4人が共謀して正男氏を殺害した可能性が高い」としています。また、「政治的な理由で殺害された可能性も除外できないが、それを証明する証拠は不十分」とも指摘しました。
広告