混乱続くベネズエラ 大統領と国会議長の対立を解説[2019/05/06 17:16]

 混乱が続く「ベネズエラ」について解説です。

 南米大陸の北に位置する人口約3100万人の国「ベネズエラ」。面積は日本の約2.4倍で、首都は「カラカス」、公用語はスペイン語です。正式な国名を「ベネズエラ・ボリバル共和国」といいます。ベネズエラとは、この地を見た西洋人が先住民の水上生活を見てイタリアの「ベネチア」を連想したことに由来すると言われます。
 野球の強豪国としても知られ、日本のプロ野球でホームラン王にもなったカブレラ選手やペタジーニ選手、そして現在、DeNAで指揮を執るラミレス監督もベネズエラ出身です。
 世界有数の産油国であり、確認されている原油の埋蔵量が世界一を誇るベネズエラですが、政情不安に陥った要因はこの「石油」にありました。石油価格の高騰に後押しされる形で経済成長を遂げたものの、石油収入に依存していることから、リーマン・ショックや近年の国際原油価格急落の影響を大きく受けて国は経済危機に陥ります。
 2013年に就任したマドゥロ大統領は石油依存脱却を目指しますが、政策は思うようにいきません。さらに、独裁を続けるマドゥロ政権は反米路線を明確にし、アメリカなどからの人道支援を拒否します。物価や失業率は急上昇し、国民の不満は高まる一方です。そんななか、「打倒政権」を掲げる野党の代表・グアイド国会議長が前回の大統領選は不正だとし、暫定大統領への就任を宣言。大統領が2人いるという異常事態に発展します。ロシアや中国、キューバなどを後ろ盾とするマドゥロ大統領側とアメリカやイギリス、ブラジル、日本などが支持を表明するグアイド国会議長側。この対立によってベネズエラは混迷を極めています。

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