COP25では高校生の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が政治家など世界の指導者に対して「行動しているふりをして抜け道を探している」と厳しく非難しました。そのグレタさんとある国の大統領が静かな場外乱闘を繰り広げ、話題を集めています。
 グレタ・トゥーンベリさん:「先住民の声に耳を傾けるのは極めて大事。先住民は気候変動や環境問題の緊急事態で最も大きな被害を最初に受けている」
 COP25の会場で先住民の若者らと地球温暖化対策を訴えたグレタさん。
 マーシャル諸島の参加者:「私の家は海抜わずか2メートルの場所にある」
 アメリカの参加者:「白人至上主義をぶっ壊せ」
 地球温暖化が先住民の住む地域などに影響を及ぼしていると訴える若者の主張に耳を傾けていました。会場では歩くだけであっという間に黒山の人だかりができるなど存在感を見せているグレタさんに、一定の影響力を持つある大人からこんな発言が出ました。
 ブラジル、ボルソナロ大統領:「あぁ…グレタだ!『先住民がアマゾンを守っていて殺された』と(グレタさんが)言っていたが、あんなガキにマスコミが場所を与えるなんてね。ガキに」
 グレタさんを「あんなガキ」と呼んだのは、右翼のブラジル大統領・ボルソナロ氏。グレタさんは8日、アマゾン地域で先住民の環境活動家2人が殺害されたと報じられたことを巡り、「世界がこのことについて沈黙を守っているのは恥ずべきことだ」などとツイッター上で非難していて、大統領の発言はこれを受けたものでした。ガキと呼ばれたグレタさんはこの発言の直後、ツイッターの自己紹介欄にガキを意味するポルトガル語を掲載。ポルトガル語はブラジルの公用語で、まさに大統領が発したものでした。グレタさんは以前、ロシアのプーチン大統領に「優しいが、情報が欠けている」などと言われた直後にもその発言を引用していて、地球温暖化だけでなく、自分自身に対する評価にも厳しく目を光らせているようです。                      
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