「無重力体験ツアー」に潜入 米で宇宙ビジネス活況[2021/09/03 09:38]

 民間企業による宇宙旅行が始まったアメリカでは「宇宙ビジネス」への熱が高まっています。そうしたなか、人気が急上昇している無重力体験ツアーを取材しました。

 白い壁に囲まれた部屋で他の参加者とともに仰向けに寝そべる猪ノ口克司朗記者。すると次の瞬間、体が宙に浮いて天井へと飛んでいきます。

 これはニューヨークで行われたゼログラビティ社の無重力体験ツアーです。

 クルクルと回る体をなんとかコントロールしようと、思わず空中で手を回します。

 実は、こちらは宇宙空間ではなく、航空機の機内です。機内は前方の座席が取り払われ、広い空間が作られています。

 宇宙に行かずにどのようにして無重力を生み出すのでしょうか。

 その仕組みはこうです。離陸後2万4000フィートまで到達すると45度の角度で3万2000フィートまで一気に上昇します。その後、再び2万4000フィートまで降下するという放物線を描くことで無重力状態になるというのです。1回につき30秒ほどですが、これを15回繰り返すことで合わせて8分間ほど重力のない世界を体感できます。

 料金は1人7500ドル、約80万円と高額ですが、この日のツアーはほぼ完売。参加者の反応も上々です。

 コロラド州からの参加者:「コロコロ回って逆さまになってどこへでも自由に移動できました」「信じられない世界でしたね。通常の体験とは全然違って特別な経験でした」

 宇宙に行かずに無重力を体験できるこのツアー。新型コロナウイルスの影響で一時は営業を停止していましたが、今年は宇宙ビジネスへの熱の高まりを受け、ニューヨークを皮切りに全米各地でツアーを予定しています。

 ゼログラビティ、マット・ゴードンCEO(最高経営責任者):「我々は『景色』以外のすべてを提供することができます。宇宙の景色は見られなくても、より多く、長く、広いスペースで無重力体験を楽しむことができるのです」

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