温暖化深刻なアフリカ　2040年代までに氷河消失か[2021/10/21 06:23]

　WMO（世界気象機関）は、地球温暖化によってアフリカの氷河が2040年代までに、すべて消失するという見通しを発表しました。

　WMOなどの報告書によりますと、アフリカでは世界の平均よりも早い速度で温暖化が進行しています。

　アフリカでは現在3つの山に氷河が残っていますが、このままの速度で温暖化が進むと、キリマンジャロ、ルウェンゾリでは2040年代までにケニア山では2030年代までに氷河が消失する見通しです。

　WMOのターラス事務局長は、「地球環境への差し迫った脅威を表している」と警鐘を鳴らしました。

　アフリカは2020年を通して温暖化や海面の上昇に加え、洪水や干ばつなどの極端現象に見舞われ、ケニアでは洪水により285人が死亡し、マダガスカルなどでは干ばつにより深刻な食料不足に陥るなど被害が出ています。

　アフリカ連合委員会のサッコ氏は、「適切な措置が取られなければアフリカでは2030年までに、一日あたり1.9ドル未満で暮らす1億1800万人もの人々が干ばつや洪水、猛暑にさらされる可能性がある」と指摘しています。

　ロイター通信によりますと、アフリカ全体の温室効果ガス排出量は世界全体の4％未満にとどまります。