【全行程】1975年 エリザベス女王来日 2kmのパレード 沿道の11万人に手を振り続け[2022/09/13 21:00]

〈バグパイプの音〉
〈現場アナウンス〉女王様ご一行のパレードはただいまご出発になりました。

1975年、昭和50年5月9日、2日前から日本を訪問中のイギリス女王エリザベス2世と夫のエジンバラ公フィリップ殿下を乗せたオープンカーが、帝国ホテルを出発します。
日比谷通りに出てきました。
道路の右側を進みます。
お二人は後部座席に立って沿道の観衆に手を振ります。

日比谷の交差点に向かいます。
紙吹雪が舞います。
観衆は、手に手にイギリスのユニオンジャック、日本の日の丸を振っています。
それに答えて手を振る女王ご夫妻。
女王は白い手袋に白の帽子、フィリップ殿下は素手で帽子もなしです。

日比谷交差点を左に曲がります。
沿道警備の警察官、警護車両の警察官、みんな肩章付きの礼装です。
イギリス王室からの要望で、警察の警備も配慮されていました。
内堀沿いの通りの右側を逆走する形で進みます。
こちら側、官庁街よりの車線は観衆に開放されています。

女王ご夫妻はパレードの間、ずっと手を振り続けます。
左手を振り、今度は右手を振り、上を見たり、反対側を見たり。
でも両手をいっぺんに振ることはないんですね。たしなみでしょうか。

手を振りながら、お二人何か会話されているようです。

エリザベス女王ご夫妻を乗せた車のボンネットに立っている旗は、イギリス女王の紋章をあしらったものです。

桜田門です。

〈バンザ−イの声〉

音楽隊の前を通り過ぎます。
しゃがんで柵を押さえている警察官は普通の制服のようです。
礼装の警察官は、男性女性交互に並んでいます。
当時、これだけの女性警察官を集めるのは大事だったと思われます。

車列は国立劇場を目指して2キロの道のりをゆっくり進みます。
カメラマンが大ぜいいます。報道陣に割り当てられた場所でしょうか。
それとも一般の人?
フィリップ殿下もカメラを取り出してパチリ。

国会前交差点です。
走っている人もいますね。

赤いユニフォームは、この3年前に発足したばかりの
警視庁鼓隊、ドラム隊の人たちでしょうか。
エリザベス女王訪日のハイライトとなったこのパレード。
平日の金曜日にもかかわらず、沿道には11万人もが詰めかけました。
ガールスカウトの一団も見えます。
出発した時は笑顔が少し硬かったお二人の顔も、リラックスされて自然な笑顔に変わりました。

国立劇場に到着しました。イギリス国旗、女王旗、日の丸が並んでいます。
お二人は、国立劇場で歌舞伎を鑑賞、人形浄瑠璃の人形とも対面されます。

〈現場アナウンス〉みなさん女王様ご一行はただいま国立劇場にご到着になりました。
まもなくこの道路は交通規制が解除になります。
途中、交通事故などに逢わないよう気をつけてお帰りください。

エリザベス女王夫妻は10日には京都へ向かうことになっていました。
東京からの移動には新幹線を利用する予定でした。女王たっての希望だったと言われています。
ところが、これは叶いませんでした。
交通ゼネストに入っていて、新幹線もまともには動いていなかったのです。
結局、女王夫妻は、羽田から伊丹の大阪空港へと飛行機で移動します。

それでも訪日日程最終日の12日になってようやく名古屋からの新幹線の旅が実現しました。
特別車両に乗り込んだエリザベス女王とフィリップ殿下は、車窓からの景色を楽しみました。
富士山も見えたそうです。

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