「ドイツへ2万頭のゾウを送り付ける」ボツワナ大統領の発言に波紋 過剰繁殖が深刻化
ワイド!スクランブル
[2024/04/09 16:47]
絶滅危惧種に指定され保護対象になっているゾウを巡りアフリカ・ボツワナの大統領の発言が波紋を広げている。その発言は「ドイツに2万頭のゾウを送り付ける」というもの。一体、ボツワナとドイツの間に何があったのだろうか?
■ボツワナ ゾウの過剰繁殖が社会問題化
「ドイツに2万頭のゾウを送り付けてやる」
2日、アフリカ南部ボツワナの大統領が、ドイツの日刊紙「ビルト」のインタビューで驚きの発言をし、注目されている。
絶滅危惧種に指定されているアフリカゾウ。ボツワナでは、2014年から保護活動に力を入れてきた。その結果…。
「ボツワナでは、毎年7000頭ずつゾウが増えています」
世界にはアフリカゾウがおよそ41万5000頭いて、ボツワナにはその3分の1にあたる13万頭が生息しているという。
ボツワナでは、ゾウの過剰繁殖が社会問題化している。
ゾウに踏まれて人が死亡したり、農作物や村が荒らされ、経済的な被害も深刻化しているという。
こうしたなか、野生動物の保護政策を提案したドイツに対し、ボツワナの大統領は「ゾウを送り付ける」としたのだ。
環境政策を担当する高官はこう話す。
「大統領は、ドイツに『13万頭のゾウと暮らすのは容易ではない』ということを印象付けたかったのです。もし、2万頭のゾウと一緒に暮らせるのであれば、2万頭のゾウを差し上げましょう」
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■冗談? 実際に送り付けた“実績”も…■冗談? 実際に送り付けた“実績”も…
ABCニュースによると、ボツワナではゾウの個体数が減少していたため2014年に狩猟を禁止していたそう。
しかし、狩猟の禁止により密猟が増加したうえに、狩猟許可による収入が減り、ゾウの保護に十分な資金が投じられなくなったという。
そのため2019年に狩猟を再び解禁したが、現在ではゾウの個体数が過剰に増加しているというのだ。
そんななかで、ゾウに関する動きを見せたのがドイツだ。時事通信によると、ドイツは野生動物のはく製や角、毛皮などのEU最大の輸入国だという。ところが、ドイツ環境省がはく製などの輸入規制を強化することで密猟を減らそうとする動きを見せたという。
こうしたドイツの動きに対して、ボツワナのマシシ大統領は「世界がゾウを保護するために我々が代償を払っている。狩猟せずにゾウと共存する方法を試してみるべきだ」として、ドイツにゾウ2万頭を送り付けると脅したとCNNは伝えている。
冗談のようにも聞こえるが、ボツワナは実際に他国にゾウを送り付けた“実績”がある。
アフリカメディアなどによると、ボツワナの北に位置するアンゴラでは内戦により、国内に大量の地雷が埋められるなどしていて、多くのゾウがボツワナに逃げ込んでいたという。
そのため、ボツワナはアンゴラに地雷の撤去と移動を制限していた柵を撤去させることでゾウ8000頭をアンゴラに追い返したという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年4月9日放送分より)