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中国の大学入試『高考(ガオカオ)』が、東大に影響しています。
『高考』は、世界一過酷な一発勝負とも言われ、省によって異なりますが、6月7日〜10日に行われました。
■中国『高考』受験者減少の背景は?東大に中国人留学生急増
その『高考』の受験者数が、8年ぶりに減少しました。
1335万人で、2024年より7万人減りました。
なぜ減少したのでしょうか。
要因の一つは、中国経済の低迷です。
中国の受験事情に詳しい、東京財団主席研究員の柯隆さんによると、
「中国で有名大学に進学しても、就職難で希望の就職先につけるかわからない。富裕層を中心に、子どもを海外の大学に留学させる人が増えた」といいます。
「中国で有名大学に進学しても、就職難で希望の就職先につけるかわからない。富裕層を中心に、子どもを海外の大学に留学させる人が増えた」といいます。
その影響もあって、東大では、中国人留学生が急増しています。
2024年11月の時点で、3,545人。留学生全体の67.8%です。
10年前の約2.8倍で、全学生の12%を占めています。
東大全学生の8人に1人が中国人留学生です。
この状況を、東大生はどう思っているのでしょうか。
大学院2年の女性
「東大は、中国から逃げてきて入るような甘いところではない。優秀な人材なら刺激を受けられるし、大歓迎」
「東大は、中国から逃げてきて入るような甘いところではない。優秀な人材なら刺激を受けられるし、大歓迎」
経済学部4年の男性
「優先されるべきは、日本人学生の学習環境。中国人比率が上がり続け、東大が事実上中国化してしまうのは危惧している」
「優先されるべきは、日本人学生の学習環境。中国人比率が上がり続け、東大が事実上中国化してしまうのは危惧している」
なぜ、中国人留学生から、東大や日本の大学は人気なのでしょうか。
世界大学ランキングでは、東大は28位、京都大学は55位です。
中国の清華大学は12位、北京大学は13位で、日本の大学より高いです。
さらに、1位はイギリスのオックスフォード大学、2位はアメリカのマサチューセッツ工科大学、3位はアメリカのハーバード大学です。
では、なぜ中国人留学生は日本の大学をえらぶのでしょうか。
東京にある中国人留学生向けの塾の関係者によると、
「欧米に比べ、日本の大学は、授業料が比較的安く治安も良い。また、コロナ禍をきっかけに、何かあればすぐ中国に帰ってこられる距離が魅力になっている。トランプ政権への不安も、今後増加要因になるだろう」ということです。
「欧米に比べ、日本の大学は、授業料が比較的安く治安も良い。また、コロナ禍をきっかけに、何かあればすぐ中国に帰ってこられる距離が魅力になっている。トランプ政権への不安も、今後増加要因になるだろう」ということです。
さらに、日本政府も、留学生受け入れ拡大を掲げています。
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■「1300万円払えば早大に」裏口あっせん謳う不正業者も■「1300万円払えば早大に」裏口あっせん謳う不正業者も
こうした中で、日本の有名大学への『裏口入学』をあっせんすると謳う業者も現れています。
中国のSNSでは、
『お金を支払えば、早慶上智、MARCHなど日本の有名大学への入学をあっせんする』と謳う不正業者も見られます。
『お金を支払えば、早慶上智、MARCHなど日本の有名大学への入学をあっせんする』と謳う不正業者も見られます。
この不正業者に番組がSNS上で接触しました。
不正業者は、
「1300万円支払えば、早稲田大学に合格できる」と主張。
手口については、
「超小型イヤホンをして、試験を受けて、スタッフが答えを教える。渡すイヤホンは肉眼で見えず、ばれない」
さらに、
「(満点は怪しまれるので)どの科目でいくつ間違えるか、事前研修で伝える」という答えが返ってきました。
「1300万円支払えば、早稲田大学に合格できる」と主張。
手口については、
「超小型イヤホンをして、試験を受けて、スタッフが答えを教える。渡すイヤホンは肉眼で見えず、ばれない」
さらに、
「(満点は怪しまれるので)どの科目でいくつ間違えるか、事前研修で伝える」という答えが返ってきました。
早稲田大学は、
「入学試験の問題や答えを事前に業者に渡すことは、一切ありません」
「国籍等の受験生の属性を問わず、出願・入学試験・入学手続き等において、不正行為があった場合は、厳正に対処いたします」とコメントしています。
「入学試験の問題や答えを事前に業者に渡すことは、一切ありません」
「国籍等の受験生の属性を問わず、出願・入学試験・入学手続き等において、不正行為があった場合は、厳正に対処いたします」とコメントしています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年6月11日放送分より)