「サムライ魂で“彼”と戦う」FIFA・国際サッカー連盟の会長選への出馬を電撃表明した田嶋幸三さんがイギリスBBCの取材に力強く答えました。
ワールドカップでの不可解な裁定などで批判されたインファンティーノ現会長の体制を覆すことができるのか?番組ではUEFA・ヨーロッパサッカー連盟の元幹部や専門家に取材。「ヨーロッパやアジア勢を味方につければ、十分に当選の可能性がある」と語っています。
FIFA会長選「サムライ精神で戦う」
投げかけたのは、フットボールの在り方でした。
「“高潔性”とかそういうものを取り戻すということを考えると、やはり決断しなければならなかったと」
イギリスの公共放送BBCも、田嶋幸三氏の独占インタビューを大々的に報じました。
「今は私は孤立無援だが、私のルール、哲学である“侍の精神”をもって“彼”と戦わなければならない。」
“彼”とは、来年3月のFIFA=国際サッカー連盟の会長選で4期目を目指す、インファンティーノ会長のこと。
本場のサッカーファンは―。
サッカーファン
「変革が必要だ。誰が金を懐に入れているのか、真相を把握できるようにする必要があります」
「インファンティーノの後任を目指す新しい候補者が現れたなら、きっと何か良いことが起こるだろう。その人が当選することを願っている」
日本サッカー協会の田嶋名誉会長は選手出身で、日本代表として7試合に出場。FIFAの理事もつとめていますが、インファンティーノ会長を内部から批判してきました。
「一番最悪のシナリオはインファンティーノ氏が無投票でそのままなってしまう(再選する)っていうことはFIFAに自浄作用が全くないんじゃないかっていうことになってしまう」
“欧州連盟”元幹部「勝つ可能性ある」
FIFAに加盟する211の国と地域の協会がそれぞれ1票を持ち、原則、秘密投票で行われる会長選。
カギを握るのは、反インファンティーノ票です。
今年のワールドカップは、ハーフタイムショーの導入など、行き過ぎた商業化に批判の声があがり、アメリカの選手への出場停止処分が1年間先延ばしされるなど、政治の介入が疑われる事態も発生しました。
その後、インファンティーノ会長は、ワールドカップなどを運営する子会社を設立し、一部の株式を投資家に売る計画を発表。UEFA=ヨーロッパサッカー連盟は、「ワールドカップは売り物ではない」と強く反発し、撤回に追い込まれました。
さらに―。
新たな疑惑も浮上。アメリカに移住したインファンティーノ会長の所得税400万ドル、日本円で6億3000万円をFIFAが全額負担したと報道されたのです。
我々はUEFAの元事務局長を取材。田嶋氏が出馬表明の前に、UFEA側と協議していたとみています。
「日本サッカー協会と欧州のサッカー協会との間に何も接触がなかったとは、私には考えられない」
Q.田嶋氏がインファンティーノ氏に勝つ可能性はある?
著名なスポーツジャーナリスト、ベン・ジェイコブス氏は田嶋氏の獲得票をこう予想します。
「他に立候補者が現れなければ、田嶋氏対インファンティーノ氏の対決となる。そのシナリオでは、UEFAがインファンティーノ氏に対して反対票を投じると見込まれる。つまり理論上は、田嶋氏に(UEFAの)55票が入ることになる。さらにアジアの大部分がインファンティーノ会長を支持しているというアジアサッカー連盟会長の見通しが誤っているなら、勝利に必要な106票にかなり近づくことになるだろう」
“日本人初”誕生は?FIFA会長選
もう一つのカギはアジア票。先月、東京で開かれたアジアサッカー連盟の総会で、インファンティーノ会長は、自身の功績をこうアピールしました。
「各加盟協会への助成金を増額しました。来年1月1日からは、2500万ドル(約40億円)になります」
この場でアジアサッカー連盟の会長は、インファンティーノ会長の再選を支持すると表明。
Q.支持についてどう思うか?
「AFC(アジアサッカー連盟)の支持を非常にうれしく思う」
ただアジアサッカー連盟の中でも、ヨルダンサッカー協会が、インファンティーノ会長と対立するなど田嶋氏にもチャンスはあると言います。
Q.アジアサッカー連盟の動向は?
「AFC(アジアサッカー連盟)自体も一枚岩ではないですし、現状だとインファンティーノ氏を支持していた方がお金は生まれているし、『現政権を支持します』っていう姿勢ですけど、これが例えば田嶋さんがUEFA側を味方につけて動いてくる、その中で公明正大を掲げて、お金もしっかり生み出しますってことを打ち出せば権力抗争的にもいい形になっているほうを支持しようっていう風になっていく流れはできるとは思います」
11月8日『有働 Times』より