減反廃止で農家の収入が減らないよう別の補助金を増額したり、新たな補助金を創設する裏には、自民党農林族のしたたかな戦略が見え隠れしています。
(政治部・長谷川由宇記者報告)
TPP=環太平洋経済連携協定の交渉に入る際にも大きな抵抗は見せなかった自民党の農林族は、減反廃止に際しても表立って反対の声は上げていません。
自民党・中谷元防衛庁長官:「それ(補助金)をもらっても、このまま先細りで大変だ。目の前のそういった手当よりも持続できる農業へ」
かつては「水田は票田」とまでいわれ、絶大な発言力を持っていた農林族でしたが、農業の担い手が少なくなるなかで、発言力も低下しているという現実は否めません。このため、「官邸主導の農業政策を前に、なす術もない」と弱体化を指摘する声も出ています。しかし、実際には、収入が減るのを防ごうと別の補助金の増額や新たな補助金の創設を政府に働きかけるなど、条件闘争に持ち込むことで実利を得るという戦略を取っています。農業改革の本丸として打ち出された減反の廃止ですが、別の補助金による焼け太りとなってしまっては元も子もありません。
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