かつて大論争を巻き起こした議員宿舎の建て替えが今、また静かに動き出しています。東京都心の一等地「清水谷」にある参議院の議員宿舎は老朽化が進んでいることから、隣接する国有地への移設計画がありましたが、環境問題などで周辺住民の強い反発を受けて一度は頓挫していました。なぜ、ここにきて議論が復活しているのでしょうか。
(政治部・植村俊和記者報告)
参議院の清水谷宿舎は、1969年建設ということもあり、老朽化はかなり進んでいます。以前には、宿舎の奥にある森に移設する計画がありました。この宿舎の建て替えを巡っては、住民の反発でいったん白紙になっていました。今回、議論が再開したのは、老朽化が進んでいるなかで他の宿舎が埋まっていて移れないという事情もあります。与野党では、以前の計画ではなく、同じ場所に建て替える案など複数の案を検討していますが、一部の党からは「議員定数削減の話があるなかで、宿舎の建て替えが必要なのか」という声もあります。30日の会合では、調査費の計上については結論を先送りしました。議員宿舎については、これまでもその「豪華さ」と「家賃の安さ」が批判の的になったこともあり、与野党ともに世論の動向に神経をとがらせています。
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