ミサイル発射を受けた会見では安倍総理大臣のすぐ横にトランプ大統領が立つという異例の形になりましたが、1日経って、これにはどんな背景があったのか見えてきましたか。
(政治部・吉野真太郎記者報告)
そもそも、この会見自体が予定外でした。元々は同行記者団が安倍総理に今回の外遊を総括するようなインタビューを行うことになっていて、記者団もその準備をしていました。その状況が変わったのが夕食会の現場でした。安倍総理がそのインタビューで、「ミサイル発射を非難するコメントを発表する」ということをトランプ大統領に伝えたところ、トランプ大統領の方から「だったら自分も一緒に出る」という提案がありました。そこで急きょ、共同会見がセットされるわけですが、ホスト国はあくまでアメリカです。日本の総理大臣がコメントを発表する時に後ろにアメリカの大統領が立っているというのは私も見たことがありません。トランプ氏の前例にとらわれない行動が日米の「蜜月」を改めて際立たせるということになりました。
(Q.日米首脳会談が行われ、両者がゴルフを楽しんだその直後のミサイル発射となったが、日本政府は北朝鮮の行動を想定していたのか?)
今回の会談は安全保障も焦点だったので、北朝鮮が何らかのリアクションをしてくるということは想定していました。現に、外務省の関係する幹部たちはミサイル発射に備えて待機していました。日本政府高官によりますと、今回の発射が日米首脳会談に対するリアクションであることに加えて、毎年春に行われる韓国とアメリカの軍事演習を牽制(けんせい)したという見方もあります。政府としては今後、さらなる発射に対する警戒を続けると同時に、北朝鮮に対する強いメッセージを出すために国連安保理の関係国に働き掛けを行っていくことになります。官邸の幹部は「中国が北朝鮮に石炭を輸出するのを食い止められれば」と話していて、北朝鮮への対抗措置の鍵は中国が握っているという構図になっています。
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