独占!自民・下村氏に聞く “憲法改正の戦略” 1[2019/01/26 23:00]

 28日から通常国会が始まります。焦点となっている勤労統計問題を野党がどう追及するのかなど安倍一強に挑む野党の戦略、さらには憲法改正の行方について、与野党のキーマンにテレビ朝日の政治部記者が直撃取材しました。

 通常国会のもう一つの焦点が憲法改正です。安倍総理大臣が意欲を示す「2020年の新憲法の施行」に向け、どこまで議論が進むのかが注目されています。去年秋の臨時国会では、自民党の下村憲法改正推進本部長が「野党は職場放棄だ」と発言したことなどが野党の反発を招き、審議の場すら設定ができませんでした。そのため、この通常国会では条文案を示す場となる自由討議の開催は当面見送り、継続審議となっている憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案を先行させて審議したい考えです。その後、条文案の提示に持っていけるかが焦点です。与党内からは「2020年の新憲法施行には今年がデッドラインだ」という焦りの声が上がる一方で、「この通常国会では諦めるべきだ」という参議院選挙への影響を心配する声も根強くあります。憲法改正の機運を高められるかどうか、まさに正念場を迎えるわけですが、その自民党のキーマンに話を聞きました。

 質問:
 いよいよ、これから通常国会が始まりますが、その焦点の一つが憲法改正の議論です。先の臨時国会では審議の場すら設定できませんでしたが、去年を振り返っていかがでしょうか?

 自民党・下村憲法改正推進本部長:
 非常に残念でした。しかし、いよいよ通常国会が始まりますから自民党も憲法改正4項目条文イメージ案を作って出していますけども、これは自由討議のなかで我が党の提案を発表したいということで、別にこれをテーマに国会議論をしてほしいということではありませんので、ぜひ憲法審査会を活発に与野党で議論する場になるようにお願いをしたいと思います。

 質問:
 そういうなかで、去年の臨時国会は下村本部長が「野党は職場放棄だ」との発言が野党の反発を招き、審査会がなかなか開くことができませんでした。与党からも一部は「これが大きな原因になってしまったんじゃないか」という声も与党内からは聞かれますが、これについて今、振り返っていかがでしょうか?

 自民党・下村憲法改正推進本部長:
 今、私は自民党の憲法改正推進本部長ですから、いかに自民党の4項目の条文イメージ案含めて多くの国民の皆さんになぜ今、憲法改正なのか。それから、それではそのなかで何を改正すべきなのかということを元々、国会で決められるわけではありません。法律は国会で決められますが、憲法だけはこれは国会で発議するだけで、国民の皆さんによる国民投票で決まるわけです。ですから、今年は平成が終わり、5月から新しい御世がスタートする歴史的な年でもありますから、ぜひ国民の皆さんから澎湃(ほうはい)と憲法改正について議論をしようと、すべきであるという声が上がってくるような、そういう土俵作りをしていきたいと思います。

 質問:
 やはり、議論を進めていく活発化させるためにも環境づくり。そこに野党がちゃんとそのテーブルにつくかどうかというところが、なかなか簡単に見えて非常に難しいところであると思いますが、この野党を巻き込んでいくというところもこの通常国会では課せられた課題なのかなと思いますが、この辺りはどうでしょうか?

 自民党・下村憲法改正推進本部長:
 野党の多くの国会議員の皆さんも憲法改正を議論しながら、この項目については賛成できるということがあれば、また自民党の4項目の条文イメージ案だけでなく、野党からも色んな提案出てます。それについて議論しながら、どんどん集約するという意味では、やはり憲法審査会が開かれないことには議論もできないわけですから。ぜひ、4項目の自民党ありきということでなくても色々、議論をして頂きたい。野党の方々が積極的に出てくるような努力を我々もしっかりとすべきだというふうに思っています。

 質問:
 今、野党が賛成できる項目というワードがありましたが、その野党を引き込める議論の項目は具体的にはどのようにお考えでしょうか?

 自民党・下村憲法改正推進本部長:
 先ほども申し上げたように自民党はすでに4つ出しているから、これはまず自由なその議論のなかで自民党はこういうのを作りましたということは発表したと思います。
 そのなかのまず一つが憲法9条は変えないと平和ということは当然の話ですし、平和ということを我々も大切にしながら、そのなかで9条を変えないけれど自衛隊を加憲するという加憲論です。これについては色んな議論があると思います。野党のなかにも自衛隊を加憲することは賛成だけど、しかし、自民党の条文イメージ案について問題があるというふうに発言されている方が結構います。
 それから2つ目は「緊急事態条項」。大きな自然災害が起きた時に緊急事態に対処するための条文というのは、他の世界の国々を見るとほとんどすべての国にあります。
 3つ目は合区の解消といって、地方の声がどんどん届かなくなるのではないか。それぞれの都道府県から1人は出すべきではないか。そのためには憲法改正をする必要があります。
 それから4つ目は「教育の問題」で、自民党憲法改正たたき台素案ということで、今、自民党憲法のなかで現行憲法26条というのがあります。これは26条に「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と。
 そして、2として「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とする」ということで、教育を受ける権利がありますよと。義務教育は無償としますよ。
 さらに付け加えて、3項目目。「国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない」。
 これは、今は7人に1人が子どもたちは貧困。1人親家庭ですと6割が貧困ということで、経済的な理由によって、なかなか学ぶチャンス、可能性が昔から比べても閉ざされている部分があると。それを憲法で加憲することによって、すべての人たちにチャンス、可能性を提供しようと。これはすでに日本維新の会は高等教育まで無償ということを主張していますが、これは他党でもですね。イデオロギーの問題ではないので、今後のプログラム法でより良い日本の将来を考えた時に憲法にどういうふうに加憲するかというふうな点では議論をすることができるのではないかと。