強気姿勢の“対韓シフト”か 重要3ポストに変化[2019/09/10 20:12]

 韓国の法相になったチョ国(チョ・グク)氏が10日、初めての閣議に臨みました。対する日本政府は今後、どのように韓国と向き合っていけばいいのでしょうか。政治部の山本志門デスクの解説です。

 韓国に向き合うなか、重要なポストが3つあります。まず1つ目は元徴用工問題などを担当し、外交の顔である外務大臣。そして、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)など安全保障を担当する防衛大臣。そして、輸出規制措置など経済面を広く担当する経済産業大臣の3つです。テレビ朝日の予想はガラッと変わるという予想です。まず、外務大臣は現在、経済再生担当大臣の茂木氏が内定。そして、防衛大臣は現在、外務大臣の河野太郎氏がスライド起用されるという見通しということです。さらに、経済産業大臣は初入閣の菅原一秀氏とみられるということです。今回、安倍政権の思惑こういったところからどう浮き彫りになってくるのでしょうか。
 まず、今、日韓関係の実務を担当する3閣僚が同時に交代することになるので、韓国に対する日本政府の方針が変わったんじゃないかと誤ったメッセージを韓国側に与えかねないという懸念が日本政府内にあります。こうしたなかで白羽の矢が立ったのが今回、防衛大臣に調整されている河野氏です。河野氏は外務大臣で韓国との対応で非常に厳しい姿勢を示すことで知られていますが、この河野氏を防衛大臣に横滑りすることで「日本政府の方針は全く変わっていないんだよ」といったメッセージを打ち出す狙いがあったんだろうと思います。
 韓国に対して毅然(きぜん)とした対応を示したと評価する声もある一方で、国民感情に火を付けたことはよくないんじゃないかと否定的な声もあります。そして、新たに外務大臣に茂木氏。これは非常にキーマンだと思います。というのも今、日韓関係は韓国側は対日強硬派のチョ氏を法相に任命して来年春には総選挙を控えているわけで、日本政府内には韓国は対応は変わらないんじゃないかと、むしろ、より強く出てくるんじゃないかという見方があります。こうしたなかで、やはり茂木氏といえば経済再生担当大臣で日米貿易交渉を硬軟織り交ぜた手腕でアメリカと取りまとめた。こうした点を安倍総理大臣は評価しているわけです。いずれ、将来的に日韓関係を立て直す局面が必ず出てくるので、こうした局面で茂木氏のこうした硬軟織り交ぜた手腕が文在寅(ムン・ジェイン)政権との対話の突破口になる可能性があり、こうした点を期待する向きもあります。
 なかなか出口が見えない状態が続いていますが、この年末に中国で日中韓の首脳会談が行われる予定です。この場で安倍総理と文大統領が直接向き合うことができるのか、またできないのか、ここは大きな潮目になってくると思います。内閣改造は11日、発表ということです。

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