「バーチャル修学旅行」オンラインで戦争の歴史を…[2020/10/24 12:20]

 新型コロナウイルスの影響を受けて修学旅行の中止や延期が相次ぐなか、オンラインで戦争の歴史などを学ぶバーチャル修学旅行が開催されました。

 このイベントには、全国から700人以上の中高生が参加しました。広島の被爆者でノーベル平和賞授賞式でスピーチを行ったサーロー節子さん(88)や長崎出身で被爆2世を自覚するサッカー日本代表の森保一監督、沖縄出身のタレント・りゅうちぇるさんが講演をし、質疑応答も行われました。
 サーロー節子さん:「同じ部屋にいた30人ばかりの同級生はほとんど焼け、生きたまま焼け死んでしまった。4歳の甥(おい)が人間の姿ではない。真っ黒になって膨れ上がって、体が溶けてしまって、見えない放射能で長年苦しめられた。見えないもの、味も何もないもの、いつそれが自分の体に変化をもたらすか分からない。やけどをして醜い傷ができた人、そうした人たちに対する社会的偏見も大変なものだった」
 参加した高校生:「日本の加害面を学ぶのもすごく大切だと思う。戦争を経験していない世代は何を学んでおくべきか?」
 サーロー節子さん:「自分の体験の話をする。それだけでは、相手に十分説得力がない。私はおわびします。正直に。腹を割って話をする態度がないと核の問題もお互いに共有することができない」
 参加した高校生:「スポーツにおいて平和を発信する意義を聞いてみたいと思いました」
 サッカー日本代表・森保一監督:「戦争や紛争や内戦があったりするなかで、好きなことは恐らくできないと思いますし、自分のを好きなことができるというのを発信することによって、平和をお互い考えられるようにしたいと思います」
 特別支援学校生:「皆が優しく仲良くしていくには、どうしたらいいか?」
 りゅうちぇるさん:「一つの分野や一つのメディアで決め付けず、現地の人とコミュニケーションを取るとか、しっかり自分のなかで確認する、自発的に調べてみることが何よりも大切。思いやりを持って人とコミュニケーションを取ることは何よりも大切」
 サーロー節子さんは、核兵器の保有などを禁止する核兵器禁止条約の採択に貢献しました。この条約はあと1つの国や地域が批准すれば、発効される状況です。節子さんは、「核兵器が違法だという法的な力が与えられ、使い物になる条約にすることが大切だ」と期待を込めました。

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