接種なぜ進まない?いつ打てる?河野大臣に聞く全文[2021/04/26 23:30]

新型コロナウイルスによる感染拡大で、全国の死者数が26日、1万人を超えました。

期待が高まるワクチン接種ですが、今後の見通しについて“ワクチン接種担当”の河野太郎大臣に聞きます。


◇3度目の緊急事態宣言

3度目の緊急事態宣言が出されました。初回と比べると、特に昼間の人出がほとんど抑えられている様子は見て取れません。今回、色々な方が色々な思いで受け止めています。辛抱や我慢している人もいます。逆に響いていないという人もいます。

(Q.どのように考えますか?)
河野太郎大臣:「私の大臣室、直轄チームは、こういう状況ですので、テレワークをやろうということで、現在、5割です。7割まで持っていきたいと思っています。それぞれ、できること、やるべきことをやって頂いて、何とか変異株の波を抑えていきたいと思っています。できることをしっかりやっていかないといけないと思います」


◇ワクチン接種
(Q.大規模接種会場ではモデルナ社製のワクチンを使う方針だということですが、承認は見えてきましたか?)
河野太郎大臣:「全国の自治体には、マイナス70度の温度管理で、3週間で2回打つファイザー社製のワクチンの配布を始めるところです。これが追加分も入れると相当な数が入ってきますので、高齢者が終わっても、自治体はしばらくファイザーで打って頂くことになると思います。今、モデルナとアストラゼネカのワクチン2種類が承認申請されていて、どこかの段階で承認されることになります。このモデルナもアストラゼネカも2回打つ期間が4週間あります。ファイザーと比べて間が長いのと、ファイザーはマイナス70度、モデルナはマイナス20度、アストラゼネカは冷蔵と、温度管理も全然違います。ファイザーで打つ準備をしている自治体に、ファイザー以外のものを流そうとしても、恐らく混乱を招きます。ですので、新しいワクチンが来た時には、今の自治体のファイザールートと別のルートを作っていかなければいけないと思います。今打ってるお医者さんには、自治体でそのまま打って頂くことになりますので、今打っていないお医者さん・看護師さんに集まってもらって、2番目のルートをしっかりやるということを今考えてます。その一つが国の大規模接種になる可能性があります」


(Q.日本は世界に比べてワクチン接種が遅れているという声も高まっていますが、進まない理由は何ですか?)
河野太郎大臣:「ファイザーがワクチンの治験を始めた去年7月、日本は欧米と感染者数が2ケタくらい少なかった。そのため、日本は治験の対象外ということになりました。また、日本はこれまでのワクチンで色んなことがあったため、日本人にとってこのワクチンは安全なのかどうかを確認しようという声が非常に強くありました。日本独自の治験は3カ月遅れの去年10月にスタートし、その結果を見て、ワクチンを使おうということにしました。ちょうどアメリカが12月にファイザーのワクチンを打ち始めて、日本の医療従事者のワクチン接種は2月からですから、3カ月遅れで治験をやったところを、2カ月までは縮めました。ただ、ちょうどその時、ファイザーのワクチンに対する需要が世界的に非常に増えたため、ファイザーはいったん製造ラインを止めて増設しました。ちょうどその時期だったため、なかなか日本は弾がそろいませんでした。ようやく増設した製造ラインが立ち上がってきたので、ゴールデンウィーク明けからは、毎週1000万回ずつ日本に入ってきます。ゴールデンウィーク明けの2週間で1800万回分のワクチンを地方自治体に配ります。これは3600万人の高齢者の半分が1回目を打てる量です。ここから日本のワクチン接種も立ち上がってくるということになります。今、EU(ヨーロッパ連合)が、EU外に一番輸出をしているのが日本で、その次がイギリスです。今の私の頭痛の種は、EU外にワクチンを出す時には承認を取らなくてはいけないことです。これをとにかく止めないで、日本にちゃんと出してねという交渉をずっとやっています」


(Q.接種が進まない日本と、他の国と何が違いますか?)
河野太郎大臣:「例えば、イギリスは素人の人が15時間トレーニングしたらワクチンを打って良いです。アメリカは軍も使うし、大規模な接種会場を作って24時間接種をしています。日本は各自治体がお医者さんに協力のお願いをして歩いている状況です。日本ではイギリスのように、ボランティアに打ってもらおうとはいかないので、打ち手をどうするか、予診をする人をどうするかという問題に直面しています」


(Q.ワクチン獲得も難しいうえで、打ち手がいない、予約システムをどうするかなど、全体的にまだまだ厳しいですか?)
河野太郎大臣:「そういうこともあったので、知事会や市長会、町村会からは、とにかく『高齢者接種の立ち上げはゆっくり行ってください』と。いきなりフル稼働してひっくり返ったら全部止まるので、まず各都道府県に1000人弱を配って、予約システムが動くか、予診に何分かかるかなどを確認したうえで、ゴールデンウィーク明けに入ってくる1000万回をフル稼働で打てるように準備しています。数が限られてるため、接種券を一度に出さずに、例えば、100歳以上とか95歳以上とか、あるいはこの地域とか限定をして、接種券を配ってくださいということを、私がもうちょっと強く言えば良かったと思います。住民と直接接している自治体は、公平性とか平等性を思いのほか強調せざるを得ませんでした。隣の家には届いているのに、うちに届いてないっていうのはなかなか許されないことなので、全部出しちゃう。そうすると、予約がなかなか取りづらい。自治体が平等性にこだわるというところを、私が見損ねた分があって、色んな所にご迷惑をおかけしています。職員の方は本当に一生懸命やってくださっているので、予約が取れないことでおわびを申し上げるのは私です。連休明けには高齢者の半分が1回打てるだけの量を2週間で出しますので、もう少し待って頂ければ、予約も取りやすくなってくると思います」


(Q.ファイザーの追加分というのは、2500万回分ですか?)
河野太郎大臣:「契約の内容はまだ対外的には公表できませんが、少なくとも今の状況で、3600万人の高齢者が2回打つ分が6月の末までに入ってきます。ここから先は、自治体が打つスピードに合わせて供給していきたいと思っています」


(Q.国の大規模接種の計画は決まっていますか?)
河野太郎大臣:「だいたい次に承認されるスケジュールに合わせて立ち上げていこうと思っています。厚生労働省が考えている承認のスケジュールに合わせてやっていきたいと思っています」


◇自治体からの要望

菅総理は「9月までに我が国の対象者が確実にワクチンを供給できるよう追加供給をファイザーCEOと電話会談で要請した」としています。ファイザーCEOは「協議を迅速に進めたい」としました。

(Q.ファイザーとは契約にいたっていますか?)
河野太郎大臣:「実質的に合意をして、ファイザーも追加分のスケジュールとについて協議しています。どのように日本に出すかという話をしています。契約の中身は申し上げる訳にはいきませんが、ファイザーとは追加分をどうするかということをやっていますので、実質的に合意しています」


(Q.自治体から「7月には間に合わない」という声が上がっていますが、いかがですか?)
河野太郎大臣:「変異株が速いペースで広がっていますので、一日でも早くワクチン接種を終える必要があります。どういう支援が必要なのかということを事細かく、自治体に聞いて、必要支援を国で出して、一日でも早く高齢者を打ち終わって、次の基礎疾患の方に移って頂きたいと思います」


(Q.接種するまでの予約など、システムを国が支援する考えはありますか?)
河野太郎大臣:「それぞれの自治体が予約のシステムを考えて実際にやっていますから、それでワクチンが来て予約が取れるようになったら打てます。3600万人ですから、一日ではというわけにはいきませんが、確実にワクチンは届きます。コンサートのチケットと違って売り切れはありません。予防接種法という法律で、主体は市区町村になりますので、国は、それを全面的にバックアップしたいと思っています。最初、「システムがこうなっているから、できません」といった声もありましたが「それは現場がやりたいようにシステムを改めるのが当たり前」と言いました。それをどうやったらできるようにするか考えて、必要ならシステムを変えるし、とにかく現場がやりやすいようにしっかりサポートしていかないといけない。ゴールデンウィークに打ちたいという自治体がありました。これはシステムでは対応できませんでしたから、システムの外で注文を聞いて配送する。毎回はそれをするというのはできませんが、走りながらシステムを使いやすいものに変えていく必要があると思います」


(Q.変異株は若い人でも重症化するリスクがあるということですが、一般の人のなかでも年齢の区分けをした方が良いのではないでしょうか?)
河野太郎大臣:「ワクチンの量は相当、入ってきます。毎週1000万回ずつ入ってきます。ただ、予約のシステム、例えば、コールセンターの回線数に限界があるなど、色々な限界があります。そこが目詰まりしないような出し方が、本来、望ましかったと思います。そこは、せっかく自治体の職員の皆さんが頑張ってくださっているので、そこで目詰まりしたのが、話題になってしまっていて、大変申し訳ないと思っています」


東京の医療現場からは「オリンピック・パラリンピックの3カ月、医師・看護師を大会に派遣すれば、留守番組にかなりの負担がかかる」との声もあります。

(Q.高齢者の接種を終えることが、オリンピック開催の基準になると考えていますか?)
河野太郎大臣:「これまで、私は『オリンピックはスケジュールに入っていません』と申し上げてきました。オリンピックは今の状況のなかで安全にどうやったらできるか。逆に言うと、この状況のなかで、安全に開催するオリンピックしかできませんよということだと思います。オリンピックは私のスケジュールに入れずに、きちんと自治体に接種してもらいたいと思いますし、そこは気にせず、できることを国もサポートしていきたいと思います」


◇菅政権初の国政選挙 自民党“3戦全敗”

(Q.市民の信頼を回復し、政策を立て直す必要がありますが、世論調査では、次の総理にふさわしい人として、河野大臣がトップになっています。河野大臣自身が国のトップに立ってコロナ対策をやる考えはありますか?)
河野太郎大臣:「ああいう調査は大体、知名度の調査と同じだと思ってますので、そんなことに踊らされずに、私の今の仕事は一日も早く一人でも多く、希望する方にワクチンを打って頂く。これがコロナを抑えることにもつながっていきますから、それを地道にしっかりやっていきたいと思います」

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