困窮する若者“一票に託す思い”期日前投票始まる[2021/10/20 23:30]

衆院選公示から2日目の20日、各地で期日前投票が始まりました。

日々の生活に困窮する人たちが今、政治に求めるものは何か、それぞれの「選択」を聞きました。

埼玉で、困窮する若者などを支援しているNPO『さいたまユースサポートネット』には、様々な事情で生きづらさを抱え、孤立している人たちが通っています。

あつしさん(36)は、20代前半までに両親を亡くしました。身体的な理由で仕事を続けられず、生活保護を受けながら、グループホームで暮らしています。一票にどんな思いを託すのでしょうか。

あつしさん:「福祉や貧困などの問題に力を入れている政党に投票したい。自分も含めて、生活が苦しい人がほとんどだと思うので。今の状況を変えてもらいたい気持ちがあるので。自分の暮らしを変えたいとか、今の生活が嫌だなと思ったら、投票に行ってもらいたい」

人間関係に悩み、一時期、引きこもりになっていた、まことさん(34)は何かを変えたいと、一票を投じる先を考えています。

まことさん:「政治の力で日本を変えてほしい。こういう人がいて当たり前、普通の人がいて当たり前。『混ぜこぜの社会』が当たり前になるといい」

こうした人たちを目の当たりにしてきたNPOの副代表はこう話します。

さいたまユースサポートネット・金子由美子副代表:「学費を稼ぎながら、バイトしながらという若者もいたが、コロナによって職がなくなってしまって、食費を切り詰めたり、学校に行く時に交通費が出せない、定期が買えない。困窮の状態が“リアルに見える”ようになってきた」

このNPOは、困難な事情を抱えた家庭の子どもたちにも居場所を提供しています。学校帰りに一緒に遊んだり、宿題をしたり。おやつも夕食も無料です。9歳と6歳、5歳の子どもを一人で育てている女性(45)に、一票に託す思いを聞きました。

シングルマザー:「母子家庭で3人を大学に入れるのは無理な世界なので、40歳になって奨学金を払ってるとかがないような、学費の援助の制度とか、サポートしてくれるような政策があれば。子どもたちが大きくなってから“なんでこの国に生まれたんだろう”とか、マイナスな感じを持ってほしくない。『ここに生まれて良かった』みたいな未来になってほしい」

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