中国への危機感か 岸田総理が途上国へ「8.8兆円」[2022/06/27 18:50]

 G7(主要7カ国)の場で岸田総理大臣が途上国へのインフラ投資として8兆8000億円以上を拠出することを表明しました。岸田総理はなぜ、このタイミングで巨額の投資を発表したのでしょうか。ドイツ・ミュンヘンから報告です。

 (澤井尚子記者報告)
 約9兆円という金額に驚くかもしれませんが、これはアメリカやドイツが音頭を取り、G7として気候変動対策などに投資することを決めたうちの約1割にあたるものです。

 こうしたアフリカや太平洋島しょ国といった途上国などへのインフラ投資を加速させる背景にあるのは、この地域で影響力を強める中国への危機感です。

 中国は、いわゆる「借金漬け外交」で無理な貸し付けによってインフラを整備し、その国を中国の影響下に置くという手法を取っています。

 こうした動きを牽制(けんせい)するために今回のサミットでG7として民間も巻き込み、5年で約81兆円という新たな投資を行うことにしたのです。

 なかでも日本は現地の人材育成を行うなどの付加価値を売りにしています。

 外務省幹部はこれから防衛費を増額するなら、こうした外交の費用も車の両輪として増やすべきだと強調しています。

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