「けじめを…」自民党内から公然と総理批判 今後の政権運営は

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[2024/06/10 19:47]

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「政治とカネ」の問題で自民党への批判の嵐が止みません。総理の退陣を求める声が上がるなか、早くも9月の総裁選への出馬は「絶望的だ」との声も。

■規正法改正に「説明責任を」野党が総理追及

果たして岸田総理の言う信頼回復は実現するのでしょうか。

立憲民主党 徳永エリ参院議員
「今国会ではこの裏金事件にものすごい時間を費やしたわけですよ。内外の課題が山積している中で。説明責任は十分に果たされていないし、真相の解明も結局できなかったわけですね。一番大事なのは企業団体献金、これを禁止することだと私は思います。なぜそこに手をつけないのか、総理ご説明ください」
岸田総理大臣
「この企業団体献金等については禁止するのではなくして、透明性を高めることによって、この信頼を回復、政治の信頼の回復につなげていく。こういった考え方をとるべきであると我々は考えております」
立憲民主党 徳永エリ参院議員
「それは自民党や政治家側からの考え方ですよね」

自民党の裏金事件を発端とする政治資金規正法の改正。野党は抜け穴だらけと批判しますが、自民党の重鎮からも不満の声が上がります。

自民党 麻生太郎副総裁
「いま自由民主党には逆風が吹いていると。 皆様が肌で感じておられる通りです。党員であることが恥ずかしい」

自民党の議員や党員ら、およそ700人が出席した福岡県連の定期大会です。

自民党 麻生太郎副総裁
「政治資金の透明性をはかることは当然ですが、同時に、我々は将来に禍根を残すことになるような改革というのは、我々は断固避けねばならない」

政治資金規正法の改正では、パーティー券を買った人の公開基準額が現在の「20万円を超える」から引き下げられる方向です。当初の自民党案では、それが「10万円を超える」でした。
ところが、岸田総理は麻生副総裁や茂木幹事長の反対を押し切り、公明党の主張する「5万円を超える」を受け入れたのです。

麻生副総裁は、この対応を暗に批判したものとみられます。

■自民党内から退陣要求も…今後の政権運営は?

岸田総理に対しては、より公然と批判する声も自民党内からあがっています。

自民党 参議院政策審議会長 福岡資麿参院議員
「自民党を応援することを胸張って言えないような状況を作ってしまっていることに対して、心からおわび申し上げさせて頂きたいというふうに思います」

自民党本部が全国で進めている地方議員や党員との対話集会です。集会に参加した人からは…

集会に参加した人
「重鎮の人たち、党の人たちね、しっかり責任取ってもらって。総理大臣の方もですね、やっぱり上に立つ人ですから、国民誰しもに分かるようなことをやってもらえれば違ってくると思いますね」

はっきりと岸田総理の退陣を求める声も出ました。

自民党 長野県連幹事長 西沢正隆県議
「やはり(党本部の)執行部を変えて欲しいな、一新をしてほしいなと私個人は思っています」
「(Q.党執行部の顔ぶれを刷新するほうがいいというのは、総理総裁も?)そうです、個人の意見。個人の意見でそういうふうに言わせてもらいました」
「(Q.総理は退任すべき?)はい、責任を取ってもらったほうがいい、けじめをつけてもらった方がいいんじゃないか」

もはや、岸田総理のもとでは選挙を戦えないという訴えです。実際、自民党は国政選挙でも地方選挙でも連戦連敗です。

政治部官邸キャップ・千々岩森生記者
「岸田政権ですが、9月の自民党総裁選までは、『解散』に打って出ることはない。かと言って自ら『退陣』することもなさそうです。総裁任期は残り3カ月なので、自民党内で今わざわざ『岸田おろし』を仕掛ける動きもない。低空飛行のまま岸田政権は9月まで続く見通しです」

では、9月の総裁選はどうなるのでしょうか?

政治部官邸キャップ・千々岩森生記者
「岸田総理は再選に向けて意欲満々です。ただ総裁選は『次の総選挙の顔』を選ぶ戦い。つまり『人気投票』の要素が非常に強くなってきます。岸田派の議員ですら『(岸田総理の)出馬は絶望的だ』と、総裁選に出ることすら危ぶむ声も聞かれています」

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