滋賀県の上御殿遺跡から発見された銅剣の鋳型。過去に国内では確認されていない剣の形状だという。これまで、九州や山陰地方から出土した銅剣は、刃(やいば)の部分と柄(つか)の部分は別々に作られている。今回の鋳型を見ると、一体で成型されていることが分かる。実は、これに非常に似ている剣がある。
滋賀県文化財保護協会・中村健二副主幹:「中国の北方、北京郊外から内モンゴルにかけて(出土される)剣に似ている」
これが、オルドス青銅器短剣。中国北部やモンゴルなどで出土している短剣だ。柄の部分の2つの輪の装飾など全体的に似た印象だ。これまで、銅剣については、朝鮮半島・九州を経由して伝わったと考えられていた。しかし、今回、滋賀県で見つかったことで、中国から日本海を渡って直接、近畿地方への交流ルートがあったのではという想像も広がる。
滋賀県文化財保護協会・中村健二副主幹:「(発見された場所は)弥生時代の遺跡とか、青銅器とか出土されていない地域。今後、なぜここから出てきたのかを考えることが重要」
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