異例の死刑囚への尋問です。傍聴席との間に防弾パネルも設置されました。オウム真理教・平田信被告(48)の裁判員裁判で、中川智正死刑囚(51)が証人として出廷しました。中川死刑囚が証言台に立った平田被告の裁判員裁判をもう一度、再現します。
証言台は青色のついたてに覆われ、傍聴席の前には「防弾パネル」が設置されました。さらに、多数の警備担当職員がいて、法廷内は物々しい雰囲気だったといいます。平田被告は弁護側の席に座り、中川死刑囚が見える位置にいました。証言に先立ち、中川死刑囚は「この場をお借りしておわびしたい」と遺族や被害者に謝罪。そして、仮谷清志さんの拉致事件について「拉致の後、車の中で、私が麻酔薬を打った。仮谷さんは拉致された際、『助けて』と3回叫び、また車内では『もう抵抗しない』と2回言った」と証言しました。また、事件について事前に役割などの話し合いはなく、「臨時雇いのような形で平田被告は犯行に加わった」と説明。一方、平田被告は伏し目がちで、時折、中川死刑囚を見たり、メモを取ったりして証言を聞いていました。また、中川死刑囚は「私たちが仮谷さん拉致に使用した服を燃やす時に、平田被告もそれを手伝った」とも話しています。この様子を検察側の席で見ていた仮谷さんの息子・実さんは、じっと中川死刑囚を見据えたままでした。
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