520人が犠牲となった日航機墜落事故から、12日で29年です。墜落現場となった群馬県上野村では、遺族らが灯籠(とうろう)流しを行いました。
29年前、日本航空の羽田発伊丹便が上野村の御巣鷹の尾根に墜落し、乗客乗員520人が死亡しました。遺族らは墜落現場のふもとに集まり、事故が起きた時刻に合わせて灯籠を流し、犠牲者の冥福を祈りました。
祖父を事故で亡くした若本峻さん(22):「事故を経験した人が、どういう思いで今まで歩んできたのかを聞いて知ることで、思いを受け継いでいけたらと思っている」
灯籠流しは今年で20回目で、JR福知山線の事故や、おととしに関越道で起きた高速バス事故の遺族も参加するなど、交通機関の安全を祈るという意味も込められています。
関越バス事故で娘を亡くした岩上剛さん(42):「私たちだけではできないこともたくさんあるので、協力し合えばいろんなことができると思って参加しました」
空の安全を巡るトラブルが相次いでいますが、墜落事故で9歳だった息子を亡くした女性は、「空の安全を守るのは国や航空会社だけではなく、遺族を含めた一人ひとりが担っている」と語っていました。決して過去の出来事として終わらせずに、事故の恐ろしさや犠牲者の無念を伝えるという思いを胸に、遺族らは12日の朝から慰霊登山へ向かいます。
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