“別れさせ工作”成功も「やりすぎ」主張し支払拒否[2018/08/29 12:36]

 思いを寄せる相手を交際相手と別れさせるように仕向ける「別れさせ工作」。この工作が成功した後、依頼者がある理由から代金の支払いを拒み、裁判となっています。

 別れた彼女に新しい彼氏ができた。俺はまだ好きなのに、あの男さえいなければ…。こんな思いを抱いたことはありませんか。2016年、奈良県に住む男性は元交際相手の女性との復縁を望み、探偵社に連絡します。女性には、すでに新しい彼氏ができていました。しかし、それでもよりを戻したいと思った男性は探偵社と相談のうえ、決断します。依頼したのは別れさせ工作です。工作の内容は、探偵社の女性工作員を新しい彼氏に近付けて好意を抱かせ、元交際相手の女性と別れさせるというものでした。では実際、どのような工作が行われたのでしょうか。まず、探偵社の女性工作員が別れさせ工作を依頼した男性から情報を得て新しい彼氏を待ち構えます。そこに現れた新しい彼氏。工作員は道を聞くふりをして接触します。すると、その彼氏は女性工作員を食事に誘ってきたのです。工作員と彼氏は連絡先を交換し、食事をともにしました。続いて、このような工作が行われました。依頼者の元交際相手の女性と新しい彼氏がデートをしている現場に工作員の女性が現れます。工作員の女性は新しい彼氏に声を掛けると、一緒にいた依頼者の元交際相手に自分も彼氏と何度か食事していることを伝えたのです。結局、この工作から2週間ほどで、元交際相手の女性は新しい彼氏との交際をやめました。しかし、トラブルはここから始まります。依頼人の男性は別れさせ工作の費用として、探偵社に対して着手金80万円、実際に別れた場合の成功報酬として40万円を支払うことになっていました。しかし、実際に支払われたのは着手金のうちの50万円のみ、成功報酬も支払われませんでした。探偵社と男性の間には、次のようなやり取りがあったということです。
 依頼人:「元交際相手の女性に工作がばれたのでは」
 探偵社:「工作員の不手際ではない」
 依頼人:「別れた証拠を見せてほしい」
 探偵社:「残金を支払ったら証拠を開示する」
 依頼人は、その後に連絡が取れなくなったということです。探偵社は未払い分70万円の支払いを求めて依頼人を提訴しますが、裁判のなかで依頼人の男性はそもそも「報酬の支払いなど必要ない」と主張します。その理由は「別れさせ工作の契約そのものが無効」。結果的に元交際相手は彼氏と別れるわけですが、「心理を誘導して男女を破綻に追い込んでいて、社会通念上、行き過ぎた面があり、公序良俗に反する」という主張です。しかし、今年1月、大阪簡易裁判所の判決は「新しい彼氏の二股行為で愛想を尽かせて交際を終了させるか否かは、元交際相手の女性の意志によることになる。そうすると、公序良俗に反するとまでは言えないというべき」。探偵社側の訴えが全面的に認められ、依頼者の男性は控訴。29日午後1時すぎに地裁での判決が出る予定となっています。