津波予見に旧経営陣は… 原発事故強制起訴裁判[2018/10/16 11:46]

 福島第一原発の事故を巡り、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された東京電力の旧経営陣の裁判で16日、注目の被告人質問が始まり、冒頭で被告の元副社長が謝罪しました。東京地裁前から報告です。

 (社会部・古賀康之記者報告)
 初公判から1年余りが経って裁判の最大のヤマ場を迎える被告人質問は、津波対策のキーマンで元副社長の武藤栄被告(68)から始まりました。武藤被告は元会長の勝俣恒久被告(78)らとともに、福島第一原発が津波による浸水で爆発事故が発生する可能性を予見できたのに対策を怠り、死傷者を出した罪に問われています。弁護側から始まった16日の被告人質問では、最初に武藤被告が「亡くなられた方々と遺族、けがをした方々に当事者として深くおわびを申し上げます」とゆっくりとした口調で答えました。また、2006年に原発の耐震性の基準が改訂された際に原発を止めて対策工事をする必要はあったのかと聞かれると「停止する考えはなかった」「安全性は確保されていた」との認識を示しました。そして、実際に福島第一原発を止めてまで対策工事が行われることはありませんでした。この後の審理で、巨大な津波が来ると予測されていたにもかかわらず、対策を先送りしたと主張する検察官役の指定弁護士側からの質問に武藤被告がどのように対応するかが注目されます。