皇太子さま59歳の誕生日 東宮御所で会見2[2019/02/23 01:00]

 皇太子さまは23日に59歳の誕生日を迎え、即位を控えた現在の心境などを語られました。

 質問:
 天皇陛下は4月30日に退位されます。象徴としての務めを果たしてこられた天皇陛下と支えてこられた皇后さまにどのような思いを抱かれていますか。また、退位という形でのお代替わりについては殿下はどのように捉えていらっしゃいますか。

 皇太子さま:
 天皇陛下にはご即位されて以来、長年にわたり、日本国憲法の天皇の規定と歴代の天皇の歴史に思いを致され、常に国民の幸せを願い、国民に寄り添い、苦楽をともにしながら象徴天皇としてのお務めを果たされるなかで、そのあるべき姿について全身全霊をもって模索をしてこられました。また、皇后陛下には、そうした陛下のお気持ちを心から共有され、常に陛下をお支えになってこられました。そして、陛下には、そのような皇后陛下を敬愛され、両陛下でご一緒に歩みを進めてこられました。こうした両陛下のこれまでの歩みに思いを致す度に、両陛下に対して深い感謝と敬意の念を覚えております。両陛下には、今後とも末永くお健やかにお過ごし頂けますよう、心よりお祈り申し上げます。
 また、両陛下がこの30年余り、一つひとつの行事を大切に思われ、真摯にお務めに取り組んでこられるお姿を私も、そして雅子も、間近に拝見する機会を頂いて参りました。そのように、おそばで学ばせて頂いたことの幸せを改めてかみ締めるとともに、両陛下のお心遣いに感謝申し上げます。そして、そのお姿をしっかりと心に刻み、自己の研鑽(けんさん)に励みつつ、今後とも務めに取り組んで参りたいと思います。
 私自身について言えば、両陛下のお手元で温かい家庭において慈しみを受けながらお育て頂き、また、音楽やスポーツの楽しみを教えて頂いたり、留学といった得難い経験をさせて頂いたりしたことが自分にとっても大きな糧となっていることに深く感謝をしております。
 退位という形でのお代替わりについての質問ですが、陛下のご退位については以前もこの場でお話した通り、陛下が「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないか」とご案じになられていることに、とても心を揺さぶられましたが、そのようなお考えに至られた背景については十分にお察し申し上げます。私としましては、こうした陛下のお考えを真摯に受け止めるとともに、常に心にとどめ、これからの務めを果たしていく考えです。

 質問:
 ご家族についてお伺いします。雅子さまは着実に活動の幅を広げられていますが、皇后になられた後の活動の見通しや殿下が感じられた変化についてお聞かせ下さい。また、春に高校3年生になられる愛子さまの今後の進路や将来の活動について、ご家族でどのような話をされていますか。

 皇太子さま:
 雅子は、この1年も体調に気を付けながら公私にわたり、できる限りの務めを果たそうと種々の工夫を凝らしつつ、一生懸命に努力を積み重ねてきております。そうした努力の結果、昨年12月の誕生日に際しての感想のなかでも述べております通り、活動の幅が少しずつではありますが、着実に広がってきていることを本人もうれしく思っておりますし、私もともにうれしく思います。その過程では、訪問先などで多くの方々から笑顔で温かく迎えて頂いたことは、雅子にとって本当に大きな支えとなっておりました。私も雅子とともに、改めて国民の皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
 一方で、着実に快復してきているとはいえ、依然としてその途上にあり、体調には波もありますので、雅子には引き続き焦ることなく、少しずつ活動の幅を広げていってほしいと願っております。今後は、自身の置かれる立場が変わることで公務も多くなるなか、一朝一夕にすべてをこなせるようになるわけではないと思いますが、雅子はこれからも体調に気を付けながら快復を目指してさらに努力を重ねていくと思いますので、国民の皆様には引き続き快復を温かく見守って頂ければと思います。雅子にはこれまで私や愛子のことにも色々とよく心を配り、私の活動を支えてきてくれています。私もできる限り力になり、雅子を支えていきたいと思っております。
 愛子はこの1年、英国イートン・カレッジでのサマースクールや秋の関西地方への修学旅行などを経て一段と成長を遂げたように感じております。青春期には誰しもが経験するように、こうした得難い経験を通じて自分の世界が大きく広がったものと思います。これからの数年間は、自分自身が将来について色々と思いを巡らせる時期になりますので、お友達や先生方など周りの方々と語り合い、自身での思索を深めていってほしいと思います。イートンでのサマースクールや修学旅行、学校の課題など普段から愛子から私たち2人に色々と話をしてくれていますし、大事な事柄については、その都度、相談に来ることもあります。今後とも、大学への進路といった将来のことやその時々の悩みなどについて相談を受けることもあると思いますが、親として本人の気持ちをしっかりと聞きながら良い助言ができればと思っております。

※映像取材はここまでです。

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