緊急事態宣言解除後も人戻らず…“取り残された街”[2020/06/29 23:30]

来月1日から営業を再開する東京ディズニーランドが、29日に新しい運営方法を公開しました。お客さん同士の距離を取るなど、新型コロナウイルスへの感染防止をしながらの営業となります。これまで通りのパレードは行わず、人気キャラクターが動くステージ上から“ごあいさつ”します。当面、触れ合うことはできませんが、一日に数回、こうした催しが行われる予定です。

しかし、これまでの経済的な損失は計り知れません。日本政策投資銀行は、3月から5月にかけて中止や延期になったイベントを対象に損失額を推計しました。ライブやミュージカル、演劇などは1万2705件で、9000億円の損失。また、地域のお祭りなど自治体が主催するイベントは1116件で、1兆7400億円の損失になったとしています。

秋田を代表する夏の風物詩『大曲の花火』も開催できるかどうかギリギリの判断を迫られていましたが、29日午後、1年間延期することが発表されました。戦後では大洪水のあった1947年以来の開催見送りです。その理由として「会場内の密集は防げても、会場の外はコントロールできない」という意見があがりました。
 秋田県大仙市・老松博行市長:「万が一、大曲の花火で感染者が出たとか、クラスターが発生した場合、110年の伝統を傷つける。皆さんにはわかって頂きたい」

街自体が“取り残されてしまった”ところもあります。
東京・早稲田大学のそばにある『三品食堂』は1日、約2カ月の休業を経て営業を再開。馴染みの客が代わる代わる駆け付けましたが、店に客は戻らないといいます。
 三品食堂店主・北上昌夫さん:「やっぱりだめですね。結局(客数の)“9割減”がそのまま続いているような感じ」
厳しさはデータにも表れています。早稲田では4月、街の人出は一日1〜2万人で推移。この頃、銀座も人の移動は抑えられていました。しかし、緊急事態宣言が解除されると、銀座が回復していったのに対し、早稲田は横ばいのままで、この1カ月、街を歩く人は去年より22万人も減りました。理由は通学がなくなったからです。文部科学省によりますと、対面授業を避けて、インターネットを用いた遠隔授業のみを行う大学は6割に上ります。早稲田大学も留学生や首都圏以外の出身者の通学が難しいため、授業をすべてオンライン化。サークルなどで集まるのも禁止されています。やむなく閉店する店も出始めました。

この事態に動いた人がいます。早稲田大学を3年前に卒業した木暮美季さんは、学生街を応援するWEBサイト『わせまちマルシェ』を作り、協力を呼び掛けました。サイトは20店舗ほどが名を連ねてスタート。洋食店のランチチケットに寄付金700円を上乗せた商品などが販売され、売り上げが各店舗に届く仕組みです。
 『わせまちマルシェ』を企画・木暮美季さん:「たくさんの人の思い出あるお店がなくなるかもしれない。私はショックで言葉がなくて」「友達とたわいもない話をしたり、あるいは部活の会議をしたりした店に、なんとか広範囲に支援できる仕組みを作りたいと」
学生が読書やサークルの集まりで使うという喫茶店『ぷらんたん』も、わせまちマルシェに出品しました。約1カ月で30万円の売り上げが報告されたといいます。
 ぷらんたん代表・前田広喜さん:「“光が見えたかな”という感じがした。歴史もあるし、このまま維持して頑張っていければいいと思います」

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