業界の「1/3ルール」緩和へ 消費者も意識改革必要[2020/12/10 23:00]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(大木優紀アナウンサー)
今Twitterで小売業界の暗黙の慣習「3分の1ルール」というのが話題になっているんです。この3分の1ルールとは何なのか?知ると私たちの買い物の時の意識も変わるかもしれません。きっかけはこちら!缶詰などの食品輸入・販売会社の三幸貿易がTwitterで「3分の1ルール」に言及したところ、のべ2万近い「いいね!」を集めたんです。では3分の1ルールとは何なのか見てきましょう! 

[図解:小売業界の暗黙の慣習 3分の1ルール]

(大木アナ)
例えば、賞味期限が2年(24ヶ月)の商品の場合、メーカーが製造してから8ヶ月以内(24ヶ月の3分の1)にスーパーマーケットなどに出荷されなかった場合、その商品は返品・廃棄されてしまうんです。まだ残り16ヶ月賞味期限が残っているにも関わらず、ここで返品・廃棄されてしまう暗黙のルールがあるんです。さらに8ヶ月プラス8ヶ月、16ヶ月の間に小売店などで売れなかった場合、これも返品・廃棄されてしまうという事なんです。
これ、まだまだ食べられるにも関わらず、この時点で返品・廃棄、本当にこんな事があるのかと驚きすら感じるんですが…

(小松靖アナウンサー)
知りませんでした。

(林美沙希アナウンサー)
守らなきゃいけないわけですね?

(大木アナ)
ただ、これ法律や条例があるわけではなく、小売業界に2000年ごろから出てきた暗黙のルールだという事なんです。このルールによって(卸売業からメーカーに)返品されるのは、缶詰・飲料やお菓子など加工食品全体で年間推計570億円(2019年度 出荷額ベース)にのぼるのではないかと言われています。ちょっと小松さん!これは驚きですよね?

(小松アナ)
だってこれ見て、もったいないと思わない人はいないですよね。よっぽどの理由があるんでしょうね、法律じゃないってことは業界内ルールみたいなものが。

(大木アナ)
その裏にはこんな事情がありました。大手小売から、どうしても賞味期限が近いもの、古いものは残ってしまう傾向があるためにメーカー側に「ごめんなさい、3分の1ルールにさせてください」という申し出があったそうなんです。じゃあ中小が売ればいいんじゃないかと思うんですが中小としても自分のところはOKですよって受け入れてしまうと、新しい商品は大手にばかり流れて、自分たちのところに古い商品が来るような流れになってしまうので大手小売に追従せざるを得ない、そういった事情があったようなんです。

(林美沙希アナ)
うーん・・

(大木アナ)
ただ、この「もったいない」という思いから新しい取り組みも出てきています。東京・北区にある「エコロマルシェ」というお店では、賞味期限が近くて廃棄する商品などを激安価格で販売しています。例えば、出荷期限は切れてますけど賞味期限はまだまだ先という事で半額以下の値段でサイダーなどを売っています。美桜さん!これ買って飲むだけで食品ロスに一つ貢献してると考えるといいですよね?

(林美桜アナウンサー)
いいですね!すぐに飲めば賞味期限もそんなに気にならないですよね。

(大木アナ)
そうなんです。まだまだ飲めますから。何ならそこから半年とか大丈夫だったりしますからね。

(小松アナ)
本来、そうですよ!賞味期限先なわけで。一番しわ寄せいくのは大元のメーカー・生産者じゃないですか。これで安いって喜ぶのもなんか申し訳ない。

(大木アナ)
ただ、私たち消費者としても、やっぱり商品が並んでいる時に、賞味期限が遠いもの、なるべく新しいもの手にとっちゃうなっていうのはありますよね。

(林美沙希アナ)
そうしてましたね。どうしても…

(大木アナ)
農水省も見直しを推進しているんですね。これまでの3分の1ルールを何とか緩和して2分の1にならないものか?まずはこの緩和を推進しているという事でした。私たち消費者の意識の改革、そこから食品ロス問題はスタートするんだなと感じました。以上トレバズでした。

(「スーパーJチャンネル」12月10日放送分より)

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