AI時代『STEAM教育』第一人者が見る未来[2021/01/12 23:30]

『未来をここからプロジェクト』。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、“未来”を見つめ、共に考える企画です。今回は、日本人女性初の数学オリンピック金メダリストやプロのジャズピアニスト、さらには、大阪・関西万博のプロデューサーと多彩な経歴を持つ中島さち子さん(41)に聞きます。中島さんは、今、あることで注目されています。それは『STEAM教育』。

STEAM教育とは、科学、テクノロジー、工学、数学の理数系に加え、芸術・教養に力を入れる新たな教育法です。デジタル社会を生き、AI=人工知能と共存していくため、あえて目指したのは“人間らしい創造性”を磨くことです。中島さんは、全国の学校へ飛び、講師を務めています。
中島さち子さん:「人間本来が持っている創造性、創る喜びがSTEAMを通して、みんなが発揮できる。今までの教育は、高校生までは偉い人がやってくれたことを学んで、知を学んでいこうという姿勢だったが、そうではない。天才と言われても同じ人間で、できるできない、うまい下手ではなくて、創る喜びがあってやっている。STEAMで一番、大事なのは、自分たちが未来に関われるというワクワク感」

これまでとは大きく異なる教育法です。例えば、ある日の授業のテーマは『歩く』。生徒たちは思い思いに歩いているようですが、実は歩数をデータで記録。天気や曜日、気温などの条件で、どう変化するのか仮説を立てて検証します。しかし、それだけではありません。中島さんは、生徒たちに「企画を参加するだけではなく、自分たちが考える側になったり、作る側になったり、そういう力が求められている」と話します。『健康のため、誰もが歩きやすい町をどう作るのか』答えの見えない“問い”さえも、みんなで協力して考える授業です。参加した生徒は「いつもより頭を使うことが多かった」と話します。

中島さんは、AIやロボットが当たり前になる時代だからこそ、“人間らしい創造性”が必要になるといいます。

未来をどう見ているのでしょうか。
中島さち子さん:「毎日、これやらないと大変みたいなことは、AIさんにやってもらえるようになってくる。人間が次なる時代、より求められるのは、新しい今までになかったような発想。“人間なりの感覚”を持つからわかること。人間が“物たちの気持ち”を想像してわかるようなこと。ここは、まだまだ人間がやるべきだと思っている」

なお、インタビューの完全版は記事下の【「AI時代『STEAM教育』第一人者が見る未来」完全版】からご覧いただけます。

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