変異ウイルス対策「ゼロコロナ戦略」も選択肢に[2021/01/24 22:00]

国内感染が確認された新型コロナの変異型は、今後どうなっていくのでしょうか?予測されるシナリオをデータサイエンスが専門の宮田裕章教授(慶応大医学部)とエコノミストの崔真淑さん聞きます。

Q:「変異型」を今後のシナリオに組み込んだ時にどう見る?
宮田:イギリス由来の変異ウイルスは感染力が非常に強いといわれています。当初は3つのシナリオがありました。
1「日本はすべてブロックできる」このシナリオは市中感染が確認できたのでなくなりました。
2「第3波が変異ウイルスによるものではないか」都内で約1400人を調査したところ、変異型はの感染は1人しか確認されなかったので、第3波は変異型によるものではない可能性が高まっている。
そうすると3「入っているが感染者は少数」。これから広がっていく可能性に備えなくてはいけないということです。フランスでは第2波がようやくダウントレンドに入ってきているが、変異ウイルスが入ったことで3月に3倍くらいのものが来ると予想して対策を行っている。
変異型は感染のコントロールが困難なので、今までのように医療をひっ迫しなければよいという戦略よりは、クラスター対策で感染経路が追える位(感染者を)低く収めていくのか。
あるいは台湾や中国のように、感染者をほとんどゼロにして水際を徹底していくのか。「ゼロコロナ戦略」と言われているが、もう少し低い中でウイルスのコントロールを考えていく。こういった選択肢を日本は考慮する必要があると思う。

Q:「ウィズコロナ」ではなく「ゼロコロナ」という戦略になると経済面が心配になってくるのでは?
崔:今、日本は自動車や半導体といった一部の産業は絶好調なんです。ただ、飲食、サービスは大打撃。このような状況でゼロコロナ対策となれば中長期で見た経済対策だけではなく、短期的に救いきれない人のための社会保障、特に給付あたりの議論も必要になるのではと思います。

Q:そうなるとまた借金が増えるだろうという話もあるが、長期で見るとどうか?
崔:経済的に困窮している人をむしろ給付によって助けて、安定したときにしっかり納税してもらう。その方が長い目で見たときに日本経済にはプラス、むしろ安上がりなんじゃないかという考え方もあるので、給付についても議論していただけたらと思います。

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