“10年前のまま”福島・大熊町 帰還困難区域多く…[2021/03/11 12:12]

 福島県では、今も原発事故による避難指示解除のめどが立っていない地域が多く残されています。大熊町から報告です。

 (山崎聡子アナウンサー報告)
 東京電力福島第一原発から約4キロの所にあるJR常磐線大野駅の前にいます。

 大熊町は大野駅周辺など一部の避難指示を解除しています。一方で、町の約6割はいまだに原則立ち入りが制限されている帰還困難区域となっています。

 駅から100メートルほど離れると、もうそこは元々住んでいた人でも自由に立ち入ることができない場所となっていて、家は10年前の地震の影響もあるのでしょうか。屋根瓦がはがれて窓が開いた状態のまま時が止まっています。

 大熊町は帰還困難区域のなかでも町の中心部を優先的に除染を行って、来年春ごろの避難指示解除を目指しています。

 ただ、それ以外の区域では除染の計画や復興計画も白紙のままで、避難指示解除のめどは立っていません。町民からは「本当に避難指示が解除できるのか」と不安の声も上がっています。

 東日本大震災から11日で10年。町民の帰還に向けて一歩ずつ前に進んではいますが、いまだにゲートが閉ざされている場所がある、それが大熊町の今の姿です。

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