検証“エスカレーター条例”歩行ダメ 賛否の声も…[2021/03/30 01:34]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(田中萌アナウンサー)
今日は、全国初と見られる、埼玉県の「エスカレーターでは止まれ」条例を見ていきます。今年10月から施行されるんですけど、罰則規定がないのでどこまで徹底できるのか難しいところではありますよね。

SNS上では賛否の声どちらも上がっています。賛成の声見てみましょう。
「急いでいる人は立ち止まっている他人をどかしてまで歩こうとするから階段を使ってほしい」「後ろから誰かがダーっと近づいてきて怖い時がある」

ただ、条例に対して否定的な声もあります。
「階段がない混雑した駅ではむしろ全員歩いてほしい」「急いでいる人用にエスカレーターの横に必ず階段を併設してほしい。エスカレーターしかないところがよくある」

賛否の声様々ですが、みなさんはエスカレーター乗られる時、どんな事を意識してますか?

(小松靖アナウンサー)
私は無類のせっかちなので歩いちゃいます。

(田中萌アナ)
確かに、朝とか駅で急いでいる時ありますよね。

(小松アナ)
あとやっぱりどっちかに寄っていて、関西だと右だとかありますけど、歩いて上る人もいるってことが前提になってますよね。

(林美沙希アナウンサー)
片側だけ並んじゃうっていうのが懸念ではありますよね。

(田中萌アナ)
それによって渋滞などもありますからね。

ただ否定派の方も多いかもしれませんが、東京大学の先端科学技術研究センターの西成教授は、安全面と効率面どちらからみてもエスカレーターは「立ち止まるべき乗り物」だと話しています。

その理由を見ていきましょう。まず安全面です。一般的な施設の階段というのは建築基準法で18センチ以下とされています。一方エスカレーターはおよそ21センチありまして、通常の階段よりエスカレーターの方が高いんですよ。ですので、歩くとつまずきやすいですし、この高さを見ても、エスカレーターというのは歩くためではなく立ち止まるために設計されているのが分かります。

さらに、効率面から見ても立ち止まった方がいいそうですよ。西成教授がエスカレーターにみんな立ち止まって両側に立ったパターンと、片側に立って歩く人のために空けているというパターンで、500人が地下から地上に出る時間をシミュレーションしました。すると立ち止まって両側に立った方が、15%早かったそうです。

普段、定点調査しますと、歩かずに立ち止まっている人は7割。残りの3割が歩いている状況なんですけど、その3割の人の為に片側を空けて乗っていると、そっちがガラガラとなってしまって500人が出るには時間がかかってしまうというシュミレーションでした。こうみると、みんなで立ち止まった方がいいという事なんです、小松さん!

(小松アナ)
これ意外ですよ!片側が空けてある分、そこを使わなかったら非効率だっていう事ですよね。私、行きも帰りも地下鉄なんですけど、ひどい時は両側を全員歩いて上がってますからね。

(田中萌アナ)
東京の人は確かにそういう時ありますよね。

(小松アナ)
でもエスカレーターは本来そういう設備ではないという事が大事ですね。

(田中萌アナ)
そうです。みんなが止まれば早く進むんです。

で、エスカレーター自体にも工夫されている場合があります。例えば、森ビルなどが積極的に導入しているのは、一列になっていて追い越せないタイプのエスカレーターです。つまり二列ではないので物理的に追い越せない。みんな決まって乗るしかない。

(林美沙希アナ)
完全に身動き取れない状態ですね。

(小松アナ)
後ろから、圧かけたらダメな奴ですね。

(田中萌アナ)
そして、こちらは上海にあるスパイラルエスカレーター。わかりますか?これ上からみるとかなりカーブを描いているんですよ。

(小松アナ)
んん??

(林美沙希アナ)
これエスカレーターなんですか?

(田中萌アナ)
三菱電機によりますと、カーブしていて歩きにくい構造なので歩く人はほとんど見た事がないそうです。

(林美沙希アナ)
あー!心理的にそうさせるんだ。

(田中萌アナ)
さらに乗っていると自然に視界が変わってきますから、歩く人が少なくて立ち止まる人が多いのではないかと三菱電機の方は話していました。

(小松アナ)
乗ってみたいですね!

(田中萌アナ)
興味ありますよね。日本にもこうした丸みを帯びたエスカレーターがある所もありますよね。

今回、この条例が埼玉県で施行されますが、埼玉の人以外でもエスカレーターの乗り方を考えてみてはいかがでしょうか?以上トレバズでした。                 
  
(「スーパーJチャンネル」3月29日放送分より)

こちらも読まれています