【ガンプラ】捨てるランナーがガンプラに!?[2021/05/25 12:00]

コロナ禍で続く「おうち時間」。
「プラモデルを作ってみようか」と思う方もいると思います。
しかしプラモデルを作ると、どうしてもゴミになってしまう「ランナー」(パーツが付いた枠組み)、もったいないと思いませんか?

そんな用済みの「ランナー」の回収を始めた企業があります。

その理由は?

(BANDAI SPIRITS 松橋 幸男さん)
「回収したランナーを『新品のガンプラ』に生まれ変わらせたいと思っております」

この取り組みを始めたのはバンダイナムコグループ。
「ガンダムシリーズ」のプラモデル、通称「ガンプラ」は販売開始から40年あまりで実に4500種類、7億個以上を売り上げました。

ランナーの回収は系列のアミューズメント施設などで行われます。

店内の回収ボックスにランナーを入れます。

こうして回収されたランナーは、グループの物流企業が静岡の工場へ運びます。
回収・運送・再生をすべて国内のグループ企業で行えるのが強みです。

リサイクルの方法は3つです。

焼却の際の熱で発電し、工場で使う「サーマルリサイクル」。

2つ目は「マテリアルリサイクル」。
5月に試作品のガンダムが作られました。

回収したランナーを色ごとに分別。
粉砕、溶解し再びプラモデルを作ります。

(模型サークル「ろうがんず」 石坂浩二会長)
「ランナーをまた溶かして、圧縮してやればできるというのは、そうはいかないと思うんです。
というのは原料というのはスチレンなんですけども、そこに色々なものが混ざって、
つまりプラモデルの材料として相応しい硬さだとか粘りが出てると思うんです。」

(BANDAI SPIRITS 松橋 幸男さん)
「製品の安全性や品質をできるだけ保証していくというところで考えますと
弊社の方で出させていただいているプラモデルにかぎって
回収をするということで今は進めさせていただいております」

品質を保証するために回収するのはバンダイスピリッツ製品のみになります。
しかしこの「マテリアルリサイクル」で作られるプラスチックは強度が弱く、
試作品の黄色いパーツの色がくすんでいるように発色も完全にコントロールはできません。

そしてこのプロジェクト最大のチャレンジとなるのが「ケミカルリサイクル」です。

(BANDAI SPIRITS 松橋 幸男さん)
「ケミカルリサイクルにおいては、無色透明なまったく新しいバージン材にすることが
できますので色味の制限がなく、好きな色がもう1回着色できますので、
いま発売している新商品同様、しっかりとした色に戻せるというところが大きな違いとなります」

こうした取り組みを始めた背景は…

(BANDAI SPIRITS 松橋 幸男さん)
「石油枯渇問題に対応すべく代替プラというものを探しておりました。
そのなかでSDGsという考え方も広く聞く中でリサイクルというところに
着目しましてお客様から回収させていただいたものを原料として
もう1回やっていこうよということでつながってきたプロジェクトとなります」

(模型サークル「ろうがんず」 石坂浩二会長)
「確かにプラスチックというのは、これから先、色んな意味での問題となると思いますし、
なるべく本当にリサイクルをしてプラスチックを使っていくということを心がけないと
先行き暗くなってしまうと思うんです。プラモデルがあと何十年も存在してもらいたいと思いますし、
子供たちにも作ってもらいたいと思います。
そんな意味でもプラスチックモデルの無駄が出たランナーの部分などが再利用されるようになったら素晴らしいことだと思います」

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