社会

2021年6月28日 14:04

予報士のつぶやき「注目!いまだけの短い〇〇」

2021年6月28日 14:04

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1週間が始まりました。
週末の楽しかった思い出に浸って、足元ばかり見ていませんか?足元を見るついでに、ぜひ自分の影にも注目してください。

同じ時間の影でも、季節によってずいぶん長さが変わります。写真は、同じ時間に同じ場所で撮影したものですが、夏至と冬至で影の長さがまったく違いますね!

▼ポイントは太陽高度
季節によって影の長さが変わるワケは、太陽高度にあります。地上にいる私たちから見ると、太陽は季節によって違う高さを通ります。夏至は南中高度が1年で最も高く、冬至は南中高度が最も低くなります。南中高度が高い夏至は影が短く、高度が低い冬至は影が長くなるのです。
この現象は、自宅でも簡単に実験することができます。缶などに真上から懐中電灯の光を当てると影は短くなりますが、少し斜めから光を当てると影は長くなります。これと同じことが夏至と冬至で起こっています。

▼影の長さを計算する
影の長さは、メジャーなどで実際に測ってもよいのですが、数学で習った三角関数を使って求めることができます。高校時代に思いを馳せて、計算してみました。

影の長さ=物体の高さ÷tanθ
※θは太陽高度

私の身長は160センチ、きょう6月28日の東京の南中高度は78°です。上の式を使って、きょうの南中時の私の影の長さを求めると……

影の長さ=160(センチ)÷tan78°=約34(センチ)

実物よりずいぶん小さな影ですね。

計算上、ことしの冬至の南中時の影はおよそ267センチになるため、同じ正午ごろであっても、これから季節が進むにつれて影はどんどん長くなっていきます。

これほど短い影を見られるのは今だけ。疲れていたり大変だったり、下を向きたくなるようなときでも、これからぐんぐん伸びていく影に、背筋を伸ばされる気持ちになりそうです。

【参考】
海上保安庁 日月出没計算サービス

テレビ朝日気象デスク 津田紗矢佳

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