各地でゲリラ雷雨“梅雨末期”の豪雨災害 原因は?[2021/07/11 22:30]

11日、全国的に大気の状況が不安定でした。各地でゲリラ雷雨が発生して都心でも大粒のひょうが降りました。

11日午後、東京都江戸川区で撮影された落雷の瞬間の映像です。落ちた後、煙のようなものが立ち上っています。
都内各地は激しいゲリラ雷雨に見舞われました。
(佐々木一真アナウンサー)
「かなり激しい風によって雨が左から右に流されていきます。突然の雨ということで傘を持っていない方も見受けられます。みなさん足早に駅の方へ向かっていきます。傘をさしていても服がびしょ濡れになってしまうほど、それほど激しい雨です。傘も持っていかれそうになりますね。」
「こちらは橋の下です。水が漏れ出てきています。大量の水が橋の下に流れています。」
(東京都港区六本木)
「風と雨で飛ばされそうです。一気に雨が強くなってきました。」
「雨の中、裸足になっている人がいますね。」

梅雨の晴れ間で気温が上がり大気の状態が不安定になり、全国の広い範囲でゲリラ雷雨が発生。
23区内では今年一番の非常に激しい雨が降りました。

玄関の前には・・3、4cmほどの大きなひょうが落ちていました。
こちらは、都内の上空を映したカメラですが、雲が急激に発達し、強い雨が、東京を洗い流すかのように、降り注いでいるのがわかります。雨は30分ほどで通り過ぎていきました。11日、東京など関東の広い範囲に、「竜巻注意情報」が出されました。各地も大荒れです。
栃木の1時間雨量は32.mmと2日連続の激しい雨を観測。
また、11日午後3時ごろ栃木県佐野市では解体中のビルの足場が倒れ、隣接する戸建に直撃、屋根などを損壊するという事故も起きています。佐野市では当時、竜巻注意情報が出されており最大瞬間風速20.6mの今年一番の強い風が観測されて
いました。
明日も大気の状態は不安定で、午後は全国的に雷雨の可能性があります。

▽牛舎に水が 「梅雨末期」の大雨被害 相次ぐ
近年、梅雨末期に大雨による被害が多発している日本。その原因とはなんなのでしょうか?線状降水帯による大雨で浸水など多くの被害が出た鹿児島県北部ではその爪痕が明らかになってきました。
冠水し水につかる牛…鹿児島県さつま町湯田地区の牛舎では、近くの川とため池があふれ大量の水が流れこんできたといいます。
(福永畜産 中屋翔太さん)
「完全に牛は泳いでいる状態で全部柵を開けてこっちに避難させて何頭かあっちの山際に泳いで逃げたりとか…」
およそ100頭の牛を30人がかりで救出。中には水路に落ち身動きが取れない牛も…
周辺のさつま町柏原では10日午後0時40分までの24時間雨量が473ミリと観測史上最大を記録。
牛舎は深いところで2mほど水が溜まったといいます
(福永畜産 新屋拓生さん)
「こっちで足がつかなかったのでずっと泳ぎながら牛をこっちにこっちにと思って…」
救出された牛たちは別の施設へ移され無事だといいます。さらに取材を進めると…
神子地区では1人で暮らす80代女性宅の裏山が崩れ、納屋が倒壊。風呂場にも土砂が流れ込む被害が…
「(10日)午前2時くらいから雨が降ってすごかった。それで午前6時半に起きた時、山が崩れて…もう修理はできない、ここには住めない…」
(河野美鈴ディレクター)
「こちらの道の奥にある大俣地区では14世帯34人の方が現在も孤立しているということです。」
大俣地区に通じる道の少なくとも3カ所が寸断され14世帯、34人が孤立状態に…

孤立した集落の畜産農家は…
(孤立した集落に住む 野元浩幸さん)
「(停電で)畜産の機械が使えない部分があったり、扇風機というかこれ以上気温が上がると牛がまたストレスになる」
牛舎に土砂が入り込み大きな被害に…電気も止まり、餌も流されおよそ50頭いる牛の飼育に支障が出ているといいます。
午後5時前、道路の開通作業が終わり孤立状態は解消されました。
気象庁は11日、九州南部の梅雨明けを発表。この先も晴れ間が続くといいます。

▽“梅雨末期”に相次ぐ災害 なぜ?
“梅雨末期”に大きな災害が発生しているのはなぜなのか、気象の専門家に聞きました。
「2010年代からは梅雨豪雨とか台風の豪雨とかですね、温暖化の影響が入ってきているというふうに科学的に明らかにされつつあります。7月の上旬が怖いということです。7月上旬の回数がもっともっと増えます。」
梅雨の末期には太平洋高気圧が西へ西へと張り出してきて、梅雨前線を押し上げ南から水蒸気が流れ込んでくることで大雨を降らせます。
中北教授によれば温暖化の影響でその時期が7月上旬に集中。福岡県朝倉市などで大きな被害がでた2017年の九州北部豪雨も7月上旬、2018年の西日本豪雨も7月上旬、去年の熊本豪雨も7月上旬でした。
「初めてのすごさ、多さの雨が降る。初めての場所で起こる。すべて初めて尽くしのことがより顕著に目立つ形で7月上旬は起こると考えて頂いた方が良い。今まで九州が中心でしたけれども、より東へ東へ、東海・関東とか東北の方面も梅雨の豪雨が起きやすくなると予測してます」


7月11日『サンデーステーション』より

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